概要
今回はお座敷シューティング(自宅で撃つ事)に向いた性能の実銃規格スコープの紹介です。
以前の記事でもチラッと触れた、
このスコープの話です。高っ!と思いますよね。私も思います。そんな金額を出す価値があるのか?について解説します。
東京銃砲に行ってみた
このスコープを取り扱っているのは、実銃グッズを多数揃えている東京銃砲です。
早速行ってみました、東京銃砲。
行くまでは銃砲店かと勘違いしていたのですが、玄関先で本来は問屋さんだと聞き、「小売はやってない」と断られるかと思ったら、快く対応していただきました。スタッフの方、ありがとうございました。
早速見せてもらったリーパースのスコープ。カタログ数値通りなのか、手に持った感覚では、自分のスコープの、
HYUGAの4×12倍スコープや
フロンティアの3×10倍スコープや
フロンティアの1×6倍ショートスコープと比べても軽く感じました。
スコープは軽い方が良いです。スコープが重いと銃の上半分が重くなり、銃の重心位置が高くなります。このような↓
ベンチレストなら重心位置なんてどうでも良いですが、例え三脚で依託しても人間が銃を保持する以上、肩付けや頬付けをすれば微量ながら銃は揺れます。
重心位置が高ければ不安定要素が増えます。
以前、ピープサイト付の銃を据銃させてもらった際に「上に重い物が載って無いって楽だな」と思いました。
1番重要なのは前後の重心位置ですが、重心の低さも無視出来ない要素だと思います。
実銃クオリティー
リーパースのスコープの話に戻ります。スタッフさんが「外で覗いてみますか?」と言ってくれたので、店外に持ち出して覗いてみました。
「この辺が壁からだいたい3mですよ(^^)」という位置に立ち、倍率を12倍、フォーカスを3mに合わせて、壁を見てみると・・・
凄い!めっちゃ鮮明に見えました。写真はちょっとピンぼけですが、肉眼で見たら「これこそ実銃クオリティー!!」というクッキリ鮮やかな見え方でした。
写真については、スコープ越しの撮影だけでも難しいのに、片手にスコープ、片手にスマホなので、ピンぼけなのは許して下さい^^;
実銃クオリティーなのは解像度だけではありません。
エレベーションとウィンデージのダイヤルを回した時のカッチリ感!エアガン用のスコープでもカチカチはしますが、実物に比べると、やっぱり少しフニャッとします。
エアガン用スコープだと、普通に2クリック回した時と、3クリック回して1つ戻した時では、着弾点が微妙に変わる事があります。
1つ戻す時に、クリック半個分しか動いてないような感触があり、そんな時はヌルッとした感触の後に小さく「カチ」という音がします。
このヌルッという領域があるか無いか?が実物とエアガン用の差を感じます。
こういうひとつひとつパーツの精度の差が値段の差なんだろうな、という印象です。
そういえば・・・
以前、プロチューナーのtascoTitanさんにお借りしたVSR-10-NO.37に付いていたスコープもブッシュネルの実物スコープでしたね。
あのブッシュネルの目が覚めるような鮮明な視界は今でも忘れられません。
あの時のブッシュネルは価格帯でいえば、このリーパースと似たようなもんです。(実売価格4〜5万円くらい)
実物スコープの高価格帯の物は、40〜50万クラスの物も沢山ありますから、実物としては普及品なんだと思います。
アイレリーフ
このリーパースのスコープ、アイレリーフ(眼と接眼レンズの距離)も実物らしくエアガン用より遠めでした。
実銃(装薬銃)は反動で銃が後ろに下がって来ます。アイレリーフが近いと、眼にスコープがぶつかって怪我します。
私もグァムで.338ラプア弾を撃った際、予想以上に銃が下がって来て、肩付けをし直した覚えがあります。
その為に、実物系スコープ、特に装薬銃用スコープはエアガン用に比べてアイレリーフが遠い物が多いです。
エアガンの場合は反動が無い代わりに、的撃ちならシューティンググラス、サバゲーならゴーグルを使います。
シューティンググラスの場合は然したる問題はありませんが、電動ファン付ゴーグルをサバゲー、或いはシューティング競技の曇り止めとして使用する場合、アイレリーフが短いとスコープ後端部とゴーグルが当たる事があります。
その対策としてもアイレリーフの長いスコープは有効です。
このスコープの使い道
エアガンの楽しみ方は、主にシューティングとサバゲーじゃないかと思います。(外観ディテールアップの分野は一部を除きモデルガンに譲ります)
ただ、シューティングレンジやサバゲーフィールドに行く前に、エアガンを買った人の恐らく全員が必ずやる遊びが「家で空き缶を撃ってみる」じゃないでしょうか。
私が大好きな「自宅5mレンジで1センチのサイコロ撃ち」も、所詮は空き缶撃ちの延長です。
私はエアガンシューティングもサバゲーも好きだし、実銃も山遊びも好きなので狩猟の楽しさも、やった事ないけど何となく想像できます。
それら全ての銃遊びの中で、自宅で撃てる(毎日撃てる)のは、私の環境では、お座敷シューティングだけです。
大好きな銃だから毎日撃ちたい!
銃趣味を始める時、実銃所持を諦めてエアガンを買った最大の理由でもあります。
自宅が広ければ、せめて10m精密射撃レンジとラウンドアバウトステージくらいは欲しい所ですが、都市部の狭い自宅では5〜6mの精密射撃レンジが精一杯です。
その中で思い切り遊ぶ為に「至近距離を正確に狙う事」が必要でした。
私の家は何とか5mの距離が確保出来ましたが、もし3mしか確保出来ない家だったら、今頃、3m先のBB弾を狙っていたと思います。
近距離の方が面白い?
実銃の精密射撃の世界では「50m種目より10m種目の方が好き」という選手が少なからず居る、という話を聞いた事があります。
理由は「10mの方が狙点通りに着弾するから」
つまり「銃の性能勝負ではなく、純粋に射手の技術力の勝負になるから」という事です。
この気持ち、めっちゃ良く分かります。私自身は単なる射撃好きの素人ですが、
精密射撃の選手の人達は、自身の射撃技術向上の為に、それこそ生活の全てを掛けている、と言っても過言ではない人達です。
そんな人達にとっては「銃のせいで中たらなかった」なんて・・・何とも言えない気持ちになるでしょうね。
だったら「射手次第でちゃんと中たる条件で撃ちたい」と思うのも当然かな、と思います。
ただ、エアガンの遠距離射撃には、また別の面白さもあると思います。それは・・・
エアガン好きの2つの欲求
エアガンが好きな人には2つの欲求があると思います。
- 遠くまで良く飛んで、小さな的にも良く当たる銃(高性能な銃)が欲しい(無いなら作りたい)。
- 射手としての自分が上手くなりたい。
の2つです。
サバゲーでは優先順位が変わり、射撃技術より立ち回りが優先になりますが、良い銃(装備)が欲しい、上手くなりたい、という大きな枠で見れば同じです。
私の場合、VSR-10による50mフライパン撃ちは「高性能な銃が欲しい」の欲求です。
試行錯誤の結果、Gスペックの方は加速シリンダーに、リアルショックの方はノーマルの超重量ピストンを活かせるバランスに修正しました。
対して1センチサイコロやAPS競技は「射手として上手くなりたい」という欲求です。
もちろん、自分のAPS銃をもっと中たるようにしたい、という願望もありますが、蔵前工房舎じゃあるまいし、素人の自分の技術でそんな事が出来るのか?は甚だ疑問です。
APSの場合は、ノーマル銃でもそこそこ良く中たるので、下手に自己流カスタムするより、射手のウデの方をもっと磨いて、銃はしっかりメンテする程度の方が良いのかも知れません。
VSR-10.Gスペックに施した加速シリンダーは、50m射撃に必要な超高速ホップ回転の為のチューニングです。
これはAPSには不向きかな?と思っています。
そもそもAPSの場合は超高回転ホップなんて無用の長物だし、加速シリンダーではピストンスピードが上がり過ぎてしまい、わざわざ長細いシリンダーを採用してピストン加速度を下げているAPSライフルの長所を殺しかねません。
エアガンでは、遠距離(50m)で中たる銃と近距離(10m以下)で中たる銃は同じではない、と思います。おそらく、ホップ依存度の差じゃないかな?と想像します。
マルイの銃が良く中たるのは、サバゲーくらいの距離、30〜40mの距離でマンターゲット程度に集弾すれば良い、という場合です。
10m以下ならマルゼンAPSシリーズの方が、小さな標的にもちゃんと中たる印象です。ノーマル同士の比較は言うに及ばず、10mであれば、加速シリンダーGスペックやファインチューンリアルショックよりAPSライフルの方が集弾性能は優秀でした。
50m射撃についてはVSR-10.Gスペック.加速シリンダー仕様に関する記事をご覧下さい↓
まとめ
少々話が脱線しましたが、ここで私の考えるお座敷シューティング、特に精密射撃についてまとめてみます。
ライフリングのない滑腔銃身で、プラスティックの球体なんぞを発射した所で、距離があると大した命中精度は望めません。
正確に中てる事を楽しみたいのなら、至近距離で撃つしかありません。
私の個人的な主観ですみませんが、1センチのターゲットに狙ってちゃんと中てられる距離は、ノーマルのAPS競技認定銃の場合で、依託射撃でも5m前後が限界です。(カスタム銃や上手い人の場合はもっと中たると思います)
ただ、5m以下という距離は、日本の都市部に住む多くの人にとって、むしろ都合が良いと思います。
田舎の広い家や、都会でも豪邸ならともかく、自宅室内で10m以上の距離がとれる一般家庭は少ないんじゃないでしょうか。
5m以下の距離だけど、小さなターゲットを正確に撃ち抜いた時の快感を味わいたい!
空き缶撃ちの延長ですね。そんなお座敷ライフルシューターにとって、
3mでフォーカスが合い、12倍ならBB弾くらい小さい標的でもハッキリ見える!
また、軽量なので、据銃した場合に銃が低重心になり、安定感が向上します。
確かにエアガン用と比較すれば高価ですが、エアガン用より遥かに頑丈(な筈)、目が覚めるような鮮明な視界、カチッとした気持ち良い操作感・・・
そして1番重要な・・・自己満足(^^)
ぶつけたり、悪天候の日に野外で使うような事をしなければ、もしかすると一生使えるかも知れません。
そういうメリットもトータルで考えると、この価格・・・許容範囲かな、という気がしてきます。
「じゃあ、自分で買わないのか?」については・・・正直、かなり迷ってます。
この後、発表が予定されているマルゼンtype96.LE202Xアルミストックの為の貯金もしたいけど、どうしようかな・・・^^;
おまけ
東京銃砲で買い物もして来ました。
ガンソックス(オーバーサイズ)と言うんですが、
靴下みたいに銃に被せて、
こんな感じに銃をカバーします。
流石にこのサイズの銃だとバットプレートまでは届きませんでしたが、ガンケースに入れて外出する際、木ストの小傷予防には効果があるんじゃないかと思います。
ケース内でのズレも防げそうだし、税込みでも3千円くらいなので、銃の小傷が気になる人には良いんじゃないかと思います。
では今回はこの辺で。
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マルゼンAPSライフルtype96.LE2021ウッドストックの記事はこちら
マルゼンAPSライフルSR-2の記事はこちら
VSR-10.Gスペック加速シリンダー仕様の記事はこちら
VSR-10.リアルショックファインチューン仕様の記事はこちら
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コメント
お久し振りです。
APSウッドストック!頑張りましたねーーー。
調整機能がちゃんとしているストックは魅力ですね!
えーとこのスコープなんですが、、、「ワイヤーレティクル」なんですか?
もしそうでしたら、ちょっと高いかもしれませんよ。
銃砲店のスコープはめっちゃ利益載せてる場合がありますから、、、、
ご用心!
ワイヤーレティクルはもう絶滅危惧種?
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
type96.LE2021ウッドストックは良い素材だと思います。
ノーマルをベースに少し調整するだけでも、もっと良くなる気がします。
買って以来、本大会に向けて毎日練習していたところ、ボーンサポートのコツを掴みかけて、良く中たるようになって来たのに本大会は延期になり、気が抜けていた所です。
こうなったら来年までにボーンサポートを修得します。
すいません。レティクルがワイヤーかどうかは未確認です。
また買い物に行った時にでも聞いてみます。
レティクルについても少し調べてみます。
友人が実銃エアライフルを初めるので、ついでに色々と調べていたら、海外との価格差に驚いていた所です。
レティクルの事、利益の事、いつもながら気付きを与えて頂き、ありがとうございます。
このスコープが米国で「ナイトフォース」として売られると現地では$1,200-$1,900位?日本の銃砲店等では23万円から40万円!!
https://nso.fareast-gun.co.jp/products/detail.php?product_id=673
ライト光機製作所オリジナルスコープは本当にすごいですよ!安くはないですけどね、、。
APS頑張って下さい!
ナイトフォースブランドとして東京銃砲のカタログにも載ってました。
価格は大方教えて頂いた通りでした。
ライト光機、調べてみました。
凄い会社ですね。ブッシュネルもOEMだったとは。
貯金が貯まったら、ライト光機のスコープもひとつ欲しくなりました。
先のレティクルの件、ワイヤーだったようです。
来年のAPS本大会はひとつ上のバッジを狙います。
ありがとうございました。