前回までは・・
インナーバレルは200ミリまでカットし、加速ポート35ミリ仕様のシリンダーに合わせて初速調整しようとしましたが、ノーマルのブレーキロッド付ピストンでは、どうしてもエア量(シリンダー排気量)が足らず、不本意ながら、ブレーキロッド無しのピストンで初速を出す事に。
すると、ノーマルの軽量ピストンでは、ピストンの慣性力が足らず、強ホップ時にシリンダー内の空気を圧縮しきれないので、強ホップ時の初速が下がります。
その対策として、これまた不本意ながら、ピストンに錘を付けて重量化する事にしました。
なぜ不本意か?というと、製作記#2加速シリンダー編で紹介したように、シリンダーのネジ山を破壊してしまうリスクがあるからです。
VSR-10の飛距離アップはシリンダーのネジ山の強度次第、だと思います。
飛距離アップとは、初速アップでは無く、重量弾と強ホップによる飛距離という意味です。
重量弾なら遠くまで飛んだ後も、空気を切り裂いて前進する力が強いですから。
野球の硬球と同じ大きさのスポンジのボール、どちらが遠くまで飛ぶでしょう?
これが重量弾を使う理由です。
その重量弾を長時間浮かせておく為に強ホップが必要という事です。
ピストンの重量化
使う物は、以前、110gピストンを作った時の余り物の鉛の板(厚みは1ミリ)、両面テープ強力タイプ、アルミテープを使います。いずれもホームセンターで売ってるヤツです。
グリスを変えてみたけど失敗・・
強ホップ域の初速向上の為に、何とかもう少し、ピストンリング回りの気密を上げたいな、と思って色々探してみました。
金属との親和性があり、ゴムやプラスチックを侵さず、フリクションの少ない物・・・あった!!
シールチェーン対応タイプなら、ゴムも大丈夫です。このチェーンルブはワコーズというメーカーの3段階のラインナップの中でも1番粘度の低いタイプ。これなら抵抗にはならないでしょう。
結果は・・・失敗です。粘度が低過ぎました。エア漏れが多く話になりません。
原因は粘度が低過ぎる物を選んだ私のミスです。まぁ、これだけフリクションが少なければチェーンルブとしては優秀でしょうね。これは後で本来の用途に使います。
気密など関係無くて抵抗を抑えたい場所の潤滑に使うのなら、エアガンにも使えると思います。チェーンに使える程の極圧性能があるので対摩耗性能は高いと思います。
これなら普通のホームセンターでも買えます。グリスの性能としては、車やバイクのレースに使われるような一流品とは比較は出来ませんが、一般用途品として考えればコスパはまぁまぁ良いと思います。ベタベタ粘度のお陰で気密もそこそこ取れますし。
また、前回はサラサラ感に定評のあるセラグリスでしたが、今回はピストンが重くなったので、グリスの粘度が上がっても、ピストンスピードへの影響は少ないと思います。それより気密性を重視しました。
初速測定開始
今回も前回、つまりピストンが19gの時の数値と比較します。
ホップ0
前回は78.80・80.48・81.01・81.21・81.09。初速変動幅は2.41。平均値は80.518。
今回は84.43・84.35・84.10・84.53・83.83。初速変動幅は0.7。平均値は84.248。
なかなか豪快なオーバーっぷりです。バラし保管必須です。それにしても安定性が良いですね。
ホップ5
前回は81.48・81.25・81.00・81.72・80.78。初速変動幅は0.94。平均値は81.246。
今回は84.43・84.18・84.70・84.12・85.41。初速変動幅は1.29。平均値は84.568。
ホップ10
前回は80.27・80.00・80.19・79.77・80.27。初速変動幅は0.5。平均値は80.1。
今回は85.45・85.61・86.41・85.81・85.75。初速変動幅は0.96。平均値は85.806。
ホップ15
前回は77.65・77.87・77.34・76.81・76.75。初速変動幅は1.12。平均値は77.284。
今回は85.61・84.99・85.15・85.77・84.58。初速変動幅は1.19。平均値は85.22。
ホップ18
前回は75.89・74.83・75.35・73.46・75.27。初速変動幅は2.43。平均値は74.96。
今回は84.14・84.01・84.31・84.04・83.12。初速変動幅は1.11。平均値は83.924。
ホップ20
前回は74.36・74.91・74.77・72.81・76.03。初速変動幅は3.22。平均値は74.576。
今回は83.87・83.15・83.83・84.43・83.38。初速変動幅は1.28。平均値は83.732。
初速測定結果一覧表
考察
ピストン19gと43gを比較してみます。
まず、どのホップで最高初速が出てるか?
19gはホップ5、次にホップ0。となると最高初速は多分ホップ4くらいでしょう。
43gはホップ10、次にホップ15。となると最高初速は多分ホップ11くらいでしょう。
理想的には、もっと強ホップ時に最高初速を持って行きたかったんですが、これ以上重くするとシリンダーのネジ山が心配なので、この辺で我慢します。
次に初速の安定性。
19gでは、初速変動幅が0.5があるかと思えば、3以上の時もあったりして、不安定でした。
43gでは、今回、最も悪い時でも1.29です。
どうやら、重量ピストンの方が安定するという巷の噂は本当かも知れません。
毎回同じ初速で発射した方が当たるのは、説明するまでもありません。
だんだん最終調整に向けて煮詰まってきた感じがします。
まずは初速をもう少し落としましょう。
理想的には、ピストン慣性力と圧縮比の現状のバランスを保つ為に、全長はこのままでバネレートだけを変えたいところです。
でも、そんなスプリングは持っていないので、不本意ながら、Gスペのスプリングに戻します。
次回はGスペ用スプリングと43gピストンの組み合わせで初速を測る事になりそうです。
では今回はこの辺で。
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