マルゼンAPS-3用 蔵前工房舎チカイトリガーのレビュー。チカイトリガーの近さ以外のメリットとは?

APS:精密射撃

概要

今回は蔵前工房舎から発売されているマルゼンAPS-3用のトリガー、商品名「チカイトリガー」のレビューです。

これを買おうかな〜?と思っていた矢先に「NEWチカイトリガー」という新型が発表されました↓

APS-3 ジュラルミン製【NEWチカイトリガー】
APS-3 ジュラルミン製【NEWチカイトリガー】

「お!新型じゃん⁉︎」と思ったんですが、旧型と違うのはカラーバリエーションとセレーションだけのようです。

色はそこまで拘らないけど、セレーションが有れば滑り難そうだな、と一瞬思いました。

が、よくよく考えてみるとトリガーが滑って困った経験がありません。グリップなら滑りにくい方が有難いですが。

そもそもトリガーは、弱くゆっくり真っ直ぐ引かないと引きブレになりますからね。

本大会で緊張して手汗をかいた事もありますが、引きブレしない使い方ならトリガーも滑りません。

となると、滑る事より懸念されるのは・・・もしかしたら後々「タッチが気に食わない」とか言い出して削りたくなるんじゃないかな?と思うかも知れません。

削るなら何も無いフラット形状の方が加工しやすそうですからね。セレーションの無い旧型を選びました。

トリガーを変えたくなった理由

チカイトリガーの売りである「トリガーを近付ける事」には興味無かったんです。ノーマルの調整範囲で充分だと思っていました。

それより、以前の記事にも書きましたがAPS-3のノーマルトリガーの形状に違和感を覚えていました。

私はトリガーをゆっくり絞った時に軽く引ける事と、シアが落ちる瞬間を鋭敏に感じたいのでトリガーの下半分に指を当てます。

回転軸から遠くなれば軽く引けるし、移動量も大きくなるので細かい変化が感じ易いと思ったので。

となるとトリガー下半分の形状が重要です。

銀色が今回買った旧型チカイトリガー。金色がノーマルです。

ノーマルトリガーの下半分の形状はRを描いて前方に曲がっています。ここに指を当てて後方に引こうとすると傾斜している物を斜めに引いているような感触がありました。

トリガーの当たり面と引く方向が直角になっていないんでしょう。

この場合、左右への引きブレではなく上下への引きブレ?のような応力が掛かるかもしれない、と考えました。

この感触がトリガーの理想である「真っ直ぐ引く」を阻害しているような気がしました。

現実には理想通りに「真っ直ぐ引く」なんて簡単ではありませんが、感触だけでもいいからストレスなく真っ直ぐ引いてるように感じられた方が、

他の重要な事、例えばサイトアライメントを綺麗に整えるとか、内的姿勢を感じ取るとか、色々な事に気付く余裕が生まれるんじゃないか?と思いました。

まとめると、下半分の形状がストレートなトリガーが欲しかったという事です。

チカイトリガーをガン見してみる

それでは細部を見てみます。

太線の1マスは1センチ、点線は5ミリです。下端部の後退量で見れば公称通り4ミリ後退しているようです。でもトリガー中央付近だと2ミリ位かな?

反対側から見るとノーマルは2ピース構造になっています。トリガーを取り付けるレールを挟む部分が右側だけ外せるようになっています。

前から見るとノーマルはセレーシヨンが入っています。ノーマルの中央部分に横溝がありますね。まさか意図的にしならせてるって事はないですよね?

後ろから見るとノーマルの2ピース構造がよく分かります。ノーマルって結構複雑な成形で造られてるんですね。

形状に不満が無ければノーマルもかなり良いトリガーだと思います。

トリガー交換作業

では交換作業に入ります。

ノーマルのトリガー締め付けスクリューを緩めてトリガーを前方にズラします。

この時、個体差かも知れませんが私の個体はかなりきつかったです。ガタが全くありません。スクリュー付近に爪を引っ掛けて何とかズラしました。

2ピース構造なのでバラしちゃっても良かったんですが。

最前端までズラしたら↓このようにトリガーレール後端部を押すと隙間が出来てトリガーを分割しなくても外せます。

ノーマルトリガーを外したらチカイトリガーを嵌め込むんですが、ノーマルはあんなにキツキツだったのにチカイトリガーは簡単に入りました。

ノーマルと比べるとクリアランスがかなり大きいようです。締め付けスクリューをしっかり締めるまではスカスカです。

締め付ければ固定されるので問題は無いんですが。

チカイトリガーに付属している六角レンチで締めこもうとしたら、結構遊びがあったのでレンチのサイズをノギスで測ると実測1.4mmでした。

まぁ付属品ですからね。ノーブランド品とかかな?それでも一応締める事は出来ます。

こんなたまにしか使わないサイズのレンチを持ってない人も居るでしょうし付属してくれるだけでも親切だと思います。

念の為、KTCの六角レンチで締め直したら1.5mmのレンチがピッタリ合いました。KTCの1.5mmをAmazonで見てみる↓

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私の場合、他の趣味で高精度な工具が必要なので持っていただけです。工具に拘りの無い場合はわざわざ買い足す必要はありません。

とりあえず引いてみた

トリガー位置は、ノーマルではAPS-3のトリガーレールに付いている目盛りで前から4個目になっていました。

チカイトリガーに交換するとノーマルより4ミリ近くなる筈なので、指の位置が同じになるように目盛りを前から2個目に変更しました。(1目盛りは2ミリです)

ところが、その状態でトリガーを引いてみると指がグリップ前端に当たりました!トリガー形状が変わったせいでしょうか?

指が当たらない所まで調整したところ・・・

約1ミリ前方にズラして目盛り1.5個目になりました。

見た目はこんな感じになりました。

今までトリガーだけがAPS-3ゴールドマッチ風だったので、黒と銀だけに統一されて、これはこれで似合ってると思います。

実射してみた

さぁこのチカイトリガー、肝心な実射でどうなんでしょう。

前回組み立てたブラックホールでブルズアイマッチ200を撃ってみます。前回のノーマルトリガーでは183ー4xでした。今回の結果は・・・

185ー7xでした。少〜し上がりましたが、2点だけですね^^;

2点なんて何回もやれば簡単に変わる程度の変化です。xの数も同様です。

この結果だけを見ると・・・点数には殆ど関係ないと言っていいかも知れません。

ただ、指先に感じていた例の違和感。指が斜めにトリガーに当たっているような違和感については見事に解消されていました。

ストレスが無くなりトリガーを引くのが気持ち良かったです。それが最大の収穫ですね(^^)

取り付け後の調整

良くも悪くも使い慣れたトリガーから交換して、いきなり撃ったのにそれなりの点数が出た事については予想以上でした。

銃のセッティングが変われば内的姿勢が変わりますからね。新しいセッティングに慣れるまでは点数が大きく落ちるという事が今まで何度もありました。

となると慣れれば今回以上の点数が出るかも知れません。が、その前に・・・

このトリガーでの一番気持ち良いセッティングを探す為にファーストステージの遊びも調整します。これはもっと撃ち込んでみないとベストな位置は分かりません。

今から楽しみです。もし高得点が出た時にセッティングが良かったのか、トリガーが気持ち良くて沢山撃ったから上手くなったのか判断が難しそうですが、それも嬉しい悩みです。

まとめ

どんな銃でもたくさん撃ってると「ここがもう少しこうなってたら良いのに」と思う事があります。今回はそれをやってみたという話です。

ただ、ここまでレビュー記事を書いておいて何ですがカスタムを勧めている訳じゃありません。むしろ逆です。

APS-3にカスタムパーツを取り付けたのは今回が初めてです。

銃のカスタムは不満が出てからやった方が良いと思います。ノーマルの良さが分かる前に変えちゃうのは勿体無いですからね。

特にAPS-3はノーマルでも完成度の高い銃です。最初から付いてる調整機能を全部弄ってみるだけでもかなり気持ち良く撃てるようになります。

そこでノーマルAPS-3の良さを感じられると思います。そしてたくさん撃ってみて、それでもまだ足りない!と感じた時に初めてカスタムを考えてみて下さい。

足りないと言うのは点数の話ではありません。愛銃と一緒にたくさんの気持ち良い時間を過ごしたか?という意味です。

そこまでやってカスタムした時、外したノーマルパーツにも愛着が湧いていると思います。外したからってメリカリで売ったり出来ません。

銃のパーツに愛着が湧いたら立派な変態ですwww・・これも決してお勧めしませんが^^;

部屋が全然片付かないですからね。それでも今日も撃ちまくって、もっと気持ち良い銃にしたいとニヤニヤ気持ち悪い笑みを浮かべている私は果報者です。

では今回はこの辺で(^^)/~~~

今回レビューしたチカイトリガー旧型を蔵前工房舎で見てみる↓

APS-3 ジュラルミン製【チカイトリガー】
APS-3 ジュラルミン製【チカイトリガー】

チカイトリガー新型を蔵前工房舎で見てみる↓

APS-3 ジュラルミン製【NEWチカイトリガー】
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ライバル商品のフロンティアオリジナル APS-3用 ワンピースアルミトリガーを見てみる↓

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コメント

  1. ニコジェイ より:

    今回の記事も興味深く拝読しました。

    トリガーの真ん中辺りにある横溝ですけど、APでは、銃を完全固定して鼓弾のロットごとの精度をチェックする際、トリガープルが常に一定になるよう溝にワイヤー(紐?)をかけてトリガーを引くのだそうです。
    APSだと、溝で指があたる位置の確認をするみたいなことが言われますけど、メーカー的には「APと同じ形状にしてみた」といったところではないかと思います。

    もっとも、APS競技公式認定銃が”APに似せて造った玩具銃”などと呼ぶのは失礼極まりない命中精度を持っていることは言わずもがなでして、さらにAPS-3 ORを34,980円(メーカー希望小売価格)で発売してくれている点には感謝しかありません。

    • odaryuji より:

      いつもコメントありがとうございます。
      実銃では精度を計測する際に専用のマシンを使うと海外動画で観たような気がしますが、ワイヤーを掛ける為の溝でしたか!知りませんでした。
      精度を求めれば、マイナス要素でしかない人間が触れない事がベストですからね。
      マルゼンの価格設定、本当に有難いですね。実銃より命中精度が低くても、銃をまともに止められない私のような素人にとっては充分だと感じています。
      価格や法律も含め、万人がAPSを楽しめる今の環境を作る為に頑張ってくれた方達には感謝の言葉もありません。
      興味深い情報ありがとうございました。

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