マルゼンAPS.SR96-11S命中精度向上計画その8。最終形態スプリング編。

APS:精密射撃

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概要

今回はマルゼンAPSライフルSR96の命中精度向上計画その8です。その5から再開して4回、この後、10mのグルーピングを計測して今回は一段落です。

今回はシリンダーを開けてスプリングを交換します。

スプリングを交換する理由は前回のその7インナーバレル編でお話したインナーバレルの共振を減らしたいから。前回を読んでいない方はこちらへどうぞ↓

マルゼンAPS.SR96-11S命中精度向上計画その7。インナーバレルの内面仕上げとガタ取り編。
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何となく分かってもらえました?簡単に言えば、

  • ピストンが前進してシリンダーヘッドに勢いよく衝突すると
  • その振動がインナーバレルに伝わってインナーバレルも共振しちゃうから
  • 共振の振幅により弾がインナーバレルの内面にぶつかって
  • その摩擦で弾自体が少しだけど回転して
  • その不規則な回転のせいで上下左右にホップを掛けたみたいに弾道が曲がり
  • フライヤーになるんじゃないのかな??

という・・・ド素人が妄想しただけのあくまでも仮説です。インナーバレルの中は見えないので証明出来ないし。

でも、もしこれが正しければAPSライフルよりAPSハンドガンの方が圧倒的にフライヤーが少ない事も納得です。

ハンドガンのバレルの短さなら共振なんて殆ど起きないでしょうから。特にAPS-3に至っては畜気式ですしね。

共振を減らす方法は幾つか考えられますが、今回はその中のひとつ「そもそもピストンがシリンダーヘッドに勢いよく衝突しなければいんじゃね?」を試します。

本来なら畜気式のように理論上の共振をゼロにしたいところですが、共振の振幅が小さければインナーバレル内面が弾と触れた時の摩擦力も小さくなって弾の回転数が下がるかもしれません。その方がまだマシかな?という妥協案です。

共振対策スプリングの考え方

考え方の基本として極端な例を話しましょう。

ノーマルよりかなり短い長さまでスプリングを切断したとします。

あまりに短かすぎてスプリングが伸びきってもピストンがシリンダーヘッドに丁度当たる辺りで止まってしまったら・・・

ピストンの打撃による振動はありません。なら打撃による共振は起こらないでしょう。

もちろん、このスプリングでは圧縮圧力が低過ぎて初速が出ません。

では、圧縮圧力を上げるにはどうしたら良いでしょう?

手っ取り早いのはスプリングの線径を太くしてスプリングレート(スプリングが伸びようとする反発力)を強めれば良いんです。

つまり、

  • スプリングレートは高いけど全長(自由長)の短いスプリングを用意して
  • ピストンストロークの初期に思い切り加速させて圧縮圧力を高め
  • ストローク後期には自由長が短い為にスプリングの伸長力が弱まるので
  • ピストンスピードが落ちた状態でシリンダーヘッドに当たり、もしくは止まり
  • インナーバレルが共振する程の衝撃は伝わらない

・・・という考え方です。理想通りに上手く行けば、ですけどね。

現状のスプリング

現在、このSR96には線径1.2mmバネピッチ3mmのスプリングが入っています。前回スプリング交換した時の記事はこちら↓

マルゼンAPS.SR96-11S命中精度向上計画その1。シリンダー・チャンバー編
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現状の線径が1.2mmなので新しいスプリングは1.3mmを試してみようと思います。

APSライフルの場合の問題点

この考え方に基づいて新しくスプリングを用意しようと思ったんですが、ひとつ問題点というか注意点があります。寸法です。

ピストンの内径は約10.7mmです。

スプリングガイドの外径は約7.4mmです。

この隙間に入るようなスプリングが必要になります。

前述のように今回はスプリングレートを強くしたいので手っ取り早く線径を太くします。となると線径は1.3mmになります。

既製品のスプリングは多くが外径10mmか11mmです。11mmは論外として10mmの場合は・・・

外径10mmで線径1.3mm=内径7.4mmの寸法になってしまいます。

という事は、スプリングガイドとのクリアランスがありません。クリアランスが無いと、

こうなります。スプリングガイドが抜け落ちません。これではフリクションロスが大き過ぎます。

下町の職人おじさんスペシャル1.3mmバージョン

これはワンオフで作ってもらうしかない、という訳で・・・

今回も「下町の職人おじさん」に相談しました。

その結果、完成したのがこれ。

外径約10.3mm。

内径約7.7mm。

線径約1.3mm。

というジャストサイズのAPSライフル専用スプリングです。

少し長めにして2本作ってもらいました。切断しながら初速調整したり切り過ぎたらやり直す為です。

それに寸法が同じでも焼入れの加減によってスプリングレートに個体差が出ますからね。

スプリング切断

私はスプリングの切断には自転車用工具のケーブルカッターを使います。

普通のステンレスカッターとかでも切るだけなら切れるんですが、ケーブルカッターを使うと切断面が綺麗なので、その後のヤスリ掛けが楽なんです。

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ヤスリ掛けは棒ヤスリで大雑把な形を整えて

耐水ペーパーでツルツルになるように仕上げます。#100くらいから始めて#400くらいまでやります。

指で先端を触ってみてチクチクせず、ある程度滑らかならオッケーです。この辺は自己流なので好きな方法でやって下さい。

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スプリング清掃

次に仕上がったスプリングを綺麗にします。

最近、私がよくやるのは折り畳んだメカタオル(綺麗な布とかでも可)にパーツクリーナーを含ませてスプリングの内側に当たるようにコイルの間に挟んで包み込みます。

そのままスプリングをクルクル回せばコイル全面が拭ける、というやり方です。

この方法で今まで使ってたスプリングを清掃してみると・・・

拭いたらこんなに汚れてました!これ、抵抗になってたでしょうね^^;

今まではパーツクリーナーをスプレー噴射でぶっかけてただけですからね。内側の汚れが取れてなかったようです。

ティッシュだと細かいケバケバが残るのでお勧めしません。特に精密射撃銃のインナーバレルを拭く時は。

メガネ拭きみたいな埃の出ない素材の物が最適なんですが、メガネ拭きは使い捨てるにはちょっと高いのでメカタオルをお勧めします。

エアガンに限らず機械のメンテでは埃は大敵です。私はメカタオルは使い切れないような量を買い置きしています。

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スプリング組み付け時の注意点

スプリングを組む時の注意点はグリスです。塗る箇所はシリンダー内側面とスプリングガイドとピストン内側面ですが「どれだけ薄く塗り伸ばせるか?」がポイントです。

シリンダーやピストン内側は指が届かないので筆で塗った後メカタオルを押し込んで拭き取ります。スプレータイプのグリスなら筆は不要です。

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私はグリスを塗ったら100発位撃って、もう一度バラしてスプリングに付いたグリスを綺麗に拭き取ります。

余って塊になったグリスは不安定な抵抗にしかなりません。パーツの表面に薄い被膜が出来れば充分です。

どれだけ薄く塗るか?に加えてグリス粘度も大きく初速に影響します。ベトベトの高粘度グリスを厚塗りするだけで初速が簡単に10m/s以上落ちます。

ただ、それではグリスが劣化した時に初速が上がってしまいます。

スプリングの摺動部分に限って言えばグリスを塗らないという選択肢もありますが、パーツの摩耗が心配なので私は一応グリスを塗ります。

低粘度グリス、例えばタミヤのセラグリスを使うのも良い方法です。特に冬は低粘度の恩恵でフリクションロスが少ない良いグリスです。

私の練習レンジは夏は暑いのでセラグリスだと短期間で流れ落ちてしまいます。もし、エアコンの効く練習環境ならセラグリスを選んだと思います。

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私は特に夏はシリコングリスを使います。シリコングリスをAmazonで見てみる↓

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初速調整

初速計測には0.2gプラ弾を使います。APS公式の初速計測が0.2gで行われるので。

最初はスプリングをちょっと長めに切って初速を測りながらだんだん短くしていきます。

この作業では蔵前工房舎の2大便利グッズ、

SR-96用ネジ穴加工済みセットピンと、

APS-SR96 セットピン(ネジ穴加工済)
APS-SR96 セットピン(ネジ穴加工済)

シリンダーオープナーに、

アジャストメンテナンスツール(シリンダーオープナー)
APS-2やスーパー9等のシリンダーを分解するときに必要な工具です。

大変助けられました。この2つ、ノーマル銃でもメンテナンスがかなり楽になります。SR96はAPSライフルの最高傑作銃です。メンテして長く使ってあげましょう。

話を戻します。スプリングをどんどんカットして、

ピストンがシリンダー端面より少し引っ込むくらいまで切りました。

この状態での初速は98m/s前後。まだ危険ですね。もっと切ります。

ピストンがシリンダー内面のネジ山にやっと届くくらいまで切りました。

初速は・・・

20発測ってみた最高値が96.83m/sの0.937jでした。最低値は95.4m/sの0.91jでした。

う〜ん・・・どうでしょうね。

初速は95以上ですが、ジュールでみれば0.95以下に収まってます。少しこれで様子を見てみます。しばらくの間は毎日計測してみて、更に上がるようなら再調整します。

因みに、タイトルに最終形態などとフリーザみたいな事を書きましたが、線径1.3mmで短くカットしてこの初速なら1.4mmは無理だと思ったからです。

立射

後日改めて10mのグルーピングを測る事にして5m先のBB弾を立射で撃ってみます。

スタンバイ姿勢で真っ先に感じたのは、異様なコッキングの感触です。

ボルトの引き始めの部分はやたらと軽いのに、ボルトを後ろまで引いてくるとかなり重くなります。

初速計測の時は引き易い体勢でコッキングしてたので気付きませんでした。

そして弾をチャンバーに押し込む時に手応えが重くなります。BB弾かノズルが後側パッキンに締め付けられているかような。

では撃ちます。

よ〜く狙って、トリガーを絞ります。・・・ボス・・・・・・無音?

ボス、というのは飛んでいった弾が置いてあるBB弾に中たらずにバックストップのランチョンマットに当たった音です。外したのは単純に私のウデです。

今までなら発射するとピストンがシリンダーヘッドにぶつかる時のトンという軽いショックと、微かにポンという発射音が聞こえたんですが・・・

この銃はポンもトンもありません。弾だけが無音で飛んで行くような不思議な感触です。

少なくともピストンの打撃ショックであるトンが無いという事は、当初の目的である「打撃の衝撃を抑える」という目的は達成出来たんじゃないかと思います。

それと発射音のポンが聞こえないというのは、VSR-10加速シリンダーのチューニング中に覚えがあります。

無音になったのは加速シリンダーとノーマルバレルを組み合わせた時。つまりバレル容量に対するシリンダー容積がノーマルより少ない時です。

パン!という発射音は弾がマズルから出た瞬間の後追いエアと大気圧の気圧差が大きい時に大きな音が鳴ります。つまり後追いエアが1気圧なら無音です。

今回の1.3mmスプリングではピストンが前進しきる頃にはスプリングの伸長力は殆ど残っていません。

弾はピストンストロークの前半で既に充分に加速されていて、マズルから弾が出る瞬間には加速も減速もしていないと思います。1気圧で押されてるから。

もしそうならシリンダーのエア容量を最も効率よく使えている事になります。

また、後追いエアが1気圧なら、マズルから弾が出る瞬間の乱流(空気の渦巻き)が起きない筈です。

弾がマズルから出た後は弾は空気の壁と戦う事になりますからね。例え弾の背後で起きる事でも正圧になるか負圧になるか分からない余計な空気の動きはして欲しく無いです。

・・・という単なるド素人の妄想です。証明も何も出来ないので適当に聞き流して下さい。

まとめ

さて、これで命中精度が向上するのか?それとも期待外れに終わるのか?

天気予報、特に風速と相談しながら10mグルーピングの実施日を決めたいと思います。

今回はスプリングの他にも「花咲かG」をやり直したり、チャンバーパッキンのシールテープも前回より厚巻きしたり、インナーバレル先端を固定したり(これは効く筈)、

前回の10mグルーピング計測からの変更点が多く、スプリングだけの影響ではないので「どれがどの位効いたのか?」というデータとしては分かり難い部分もありますが、このパッケージならこのくらい、という目安程度にはなると思います。

今回、作業しながら「ここをもう少しこうした方が良いんじゃないの?」と思い付いた事が幾つかありました。

  • ハンドガンのように短いバレルなら共振しないならバレルを短くすれば良いのでは?とか
  • シリンダーのポート(切り欠き)の形状がフリクションになってる気がするので最適化した方が良いのでは?とか
  • シリンダーヘッドの内側の形状も段付きがあるから研磨すれば流速が上がるのでは?とか
  • 機関部だけの時と機関部をストックに載せた時で初速が変わる?もしかして剛性に問題あるのかな?とか
  • 立射姿勢の為の装備(パームレスト、チークパッド、バットプレート)も見直した方が良いのかな?とか

まぁ、いろいろと夢や浪漫や妄想が膨らんで来るんですよ。この銃は。

玩具っぽいパーツ(タッピングビスとか低剛性のプラパーツとか)が極めて少ない事が功を奏していると思います。

他メーカーやマルゼンの他の銃と比べても、このSR96は玩具というより工業製品の匂いがする銃です。

精度や剛性のあるパーツが使われていれば、手を入れた分だけちゃんと応えてくれます。

そういう物は愛せます。銃でも車やバイクでも。

おっと、また話がぶっ飛んで来ましたね!

10m実射をいつやるか?は御天道様次第です。少々お待ちください。

では今回はこの辺で(^^)/~~~

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