概要
今回はマルゼンのAPSライフル、SR96-11Sの紹介・・・なんですが、銃の細かい説明は次回にまわして、いきなり初速測定をやります。
理由は、どうしても気になる事があったから。それについては後述します。
使う弾
APSライフルの公式では、私はBLSの0.48gを使います。(毎日の練習では、もっと安い弾を使いますよ^^;)
直径等の外寸の精度は、BLSよりMODIFYの方が若干良いような気もしますが、有効射程距離や弾道低進性等の懸念が無い状況で撃つ場合は「重さは正義」だと思います。
今までの50mシューティングやAPSライフルでの経験から、そう思いました。
つまり、標的までの距離が変わるサバゲーやAPSハンドガンとは状況が異なります。
また、バレルが長い銃の場合、弾が重くなると、ジュールが上がる事があります。
それに弾とパッキンの相性や初速安定性も見たいですしね。
などの理由から、初速測定でも本番と同じ弾でやります。
初速測定
とりあえず、10発撃ちました。
結果を表にすると、
こんな感じになりました。
type96.LE2021ウッドストックと初速データを比較
今回の初速データをtype96.LE2021ウッドストックと比較してみます。
ただし、96LEウッドは、私がシリンダーを開けてバリを取り、スプリングに下駄を履かせたので、ノーマルではありません。シリンダーを開けた時の記事はこちら↓
96LEウッドは、0.9j仕様から初速を落とした後の0.8j仕様のデータを比較対象として使います。
理由は、現在毎日0.8j仕様で練習していて、「このくらいで充分だな」と思えるからです。
0.9jの方が僅差で良く中たりますが、0.8jの方がメンテが楽です。
まず、最低初速を比較すると、
- 96LEウッド:58.32m/s・0.816j
- SR96-11S:59.17m/s・0.84j
最高初速は
- 96LEウッド:59.26m/s・0.842j
- SR96-11S:60.56m/s・0.88j
初速変動幅は
- 96LEウッド:0.94m/s・0.026j
- SR96-11S:1.39m/s・0.04j
という比較結果となりました。初速の速さはSR96-11Sが僅差で勝ち。初速安定性は96LEウッドの勝ちでした。
これが、10m実射比較でどうなるか楽しみです。
町工場のスプリング
96LEウッドの方が初速は低いですが、初速くらいなら、いつでも上げられます。
96LEウッドのノーマルのスプリングの線径は1.0mmです。それとは別に線径1.2mmのスプリングを用意してあります。
1.0と1.2と言えば、VSR-10のプロスナは1.0。Gスペ・リアルショックが1.2です。
リアルショックの径1.2スプリングを96LEウッドに入れて初速を測ったら0.9jちょっと出ましたが、マルゼンの96のピストンは、VSR-10より内径が少し細いので、ほんの少しですがスプリングと干渉します。
96LEウッドのスプリングは外径9.3mm。
96LEウッドのピストン内径は10.8mm。
写真を撮り忘れましたが、リアルショックのスプリングは外径10.5前後あります。
あまり干渉するようだと、ピストンの内壁が削れそうなので、96LEウッドに適合するスプリングを用意しました。
外径10.0、線径1.2のスプリングを近所のバネ専門店で買って来ました。
バネを作ってる小さな町工場は、探せばどの町にも一軒や二軒あると思います。町工場のおじさんと仲良くなると、面白い事が多いですよ。私はスプリングの作り方を見せてもらいました。
因みに今回のオーダーの仕方は、「線径1.2外径10mmの押しバネを探しています。長さは400mm位あれば、後で自分で切ります。」とオーダーしました。ノーマルスプリングも持って行けばベストでしょうね。
値段は700円位でした(^^)
現状の0.8j仕様がなかなか良い感触なので、町工場スプリングは、まだ組み込んでいませんが。
社外品のスプリングも発売されていますが、線径やピッチを見る限り、スプリングレートが高過ぎるような気がします。
96シリンダーを0.9jくらいの丁度良い塩梅にパワーアップするには、線径1.2のスプリングが必要だと思います。
それにしても、96LEウッドを箱出しの初速を思い出すと、SR96は随分と初速を上げて来ましたね!
実はこの初速の高さについては、測定前から、ある程度予想していました。それは・・・
96LEウッドとSR96は、シリンダーの気密が違う!
実は、SR96-11Sを最初に組み立てる時、組み立てながらシリンダーの気密を確認していました。
96LEウッドでの経験から「また気密が低かったら、すぐにピストンヘッドパッキンを交換しよう」と覚悟していたからです。ところが・・・
いつもの方法でシリンダーの気密を測ると、ピストンはゆっくり前進するだけでした。
96LEウッドは箱出しだと、ピストンがストンと抵抗なく前進します。その状態だと、0.6j位しか出ません。(私の個体の場合)
SR96-11Sの気密を見て「これなら、余程の強スプリングとタイトなパッキンでもない限り、初速低下は最小限に抑えられるんじゃないかな」と判断しました。
ただ、調整後の96LEウッドやVSR-10のように、完全にピストンが止まる訳じゃないので、今後、手を入れるとしたら、そこでしょうね。
ただ、現時点ではその必要性を感じませんが。
なんで最初に初速なのか?
今回、最初に初速を測ったのは、96LEウッドのシリンダーを開けた理由と同じです。
初速が高い方が中たるから!
これは特に、APSライフルの場合に顕著です。
一言で言えば「弾がインナーバレル内で加速している時間が長いから」なんですが、APSライフル競技が立射だから、というのも大きな要因です。
立射なので人間がユラユラ揺れてるもんだから、インナーバレルで加速中の弾も一緒に上下左右に揺らされます。
弾がいつまでインナーバレルの中に居るから、揺らされた影響も大きくなる、って事ですね。
この影響がどの位あるか?は測定出来ないので、やりません。立射での集弾性を測った所で、その時の私のコンディションに大きく左右されるからです。
それにもうひとつ。これはシューターよりサバゲーマーの方が実感する機会が多いかもしれませんが、やっぱり初速は高い方が中たります。
例えば、50m飛ばせる銃なら40mの標的は、ほぼ狙って中てられるでしょうし、30mならかなり小さな標的でも中たるでしょう。
勿論、遠距離ならホップの性能も影響しますが、近距離ならホップは関係ありません。(て言うか、無い方が良いと私は思っています)
実銃の超長距離射撃と同じ理屈で、重い弾を高速で撃ち出せば、強大な慣性力によって直進性も高まるって事じゃないかな?と思うんですが・・・
これからAPSを始める方へ
だからと言って、0.97jまで上げましょう、と言ってる訳じゃありません。
もし、1人でも逮捕者が出れば規制が入り、この楽しい趣味が続けられなくなります。
パワーアップに興味が湧くのは男の本能なので否定しません。私もそうですし。ただ・・・
機関部をイジりたいなら最初に買うのは、スプリングでもシリンダーオープナーでもなく、弾速計です。
そんな事は先刻承知な方が殆どでしょうが、念の為。
それに弾速計は遊べますよ?どうせみんな、色んな銃、持ってるでしょ?
「この銃はホップを強めると初速が上がるぞ!?ピストンが重いのかな?じゃあ遠距離用にしよう」
とか
「この銃は、やたらと初速が安定してるな。これならマック堺ブルズアイマッチやタゲワンのスナコンやバトンの月例会で上位を狙えるかも」
とか
「最近、初速落ちて来たな。そろそろシリンダーバラしてグリス 塗り直そうかな」
みたいに。面白いですよ、弾速計。
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まとめ
SR96-11S、マルゼンの本気を感じました。これなら中たるでしょうね。ウデさえ良ければ(TT)。
もしかしたらマルゼンとしては「ド素人が下手に機関部弄るんじゃねえよ!危なくてしょうがねぇ、いろんな意味で。これならその必要も無いだろ!?」と逆ギレしたのか?と思いました(爆笑)
そのくらい、箱出しでも使える銃に仕上がっています。
なるべく改造せずに競技に勝ちたいなら、これしかないと思います。
勿論、SR96-20Sでもいいんですよ。サイトが違うだけなので。視力に不安のある人はスコープの方が楽しめると思います。
因みに11mmと20mmのレールは簡単に交換出来ます。
また、委託射撃での10mグルーピングは、個人的に興味があるので、近い内にやります。調整後の96LEウッドと対決させたいと思ってます(^^)
次回から、銃の各部について細かく見ていきます。
では今回はこの辺で。
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マルゼンSR96-11Sの他の記事はこちら
マルゼンtype96.LE2021ウッドストックの記事はこちら
マルゼンAPS.SR-2の記事はこちら
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