マルゼン APS SR96-11S の紹介その4。ストック・グリップ編

マルゼン APS SR96-11S

概要

今回は、マルゼンAPSライフルSR96-11Sの紹介その4です。その3までを読んでいない方はこちらへどうぞ。

マルゼン APS SR96-11S
「マルゼン APS SR96-11S」の記事一覧です。

その1でいきなり初速、その2でピープサイト、その3で依託射撃とやって来て、まだ銃本体に殆ど触れていませんでしたからね。

マック堺さんなら最初に触れる所です!

という訳で、いまさら感バリバリですが、まずSR96-11S(20Sも同様)の各部を見てみます。

チークピース

まずはチークピース。頬っぺたが当たる所です。

チークピースの上下調整幅は約36ミリです。

もう少し上まで上げられそうですが、固定ボルトの全面がちゃんと当たるギリギリの高さが大体このくらいなので、これ以上は固定強度が落ちるかも知れません。

左右調整幅は約15ミリ。片側約7.5ミリです。これについては、特筆したい事があるので後述します。

チークピースを前後逆にして、高さは先程の36ミリで付けてみました。

ここまで上げれば前後逆にしてもコッキング時にボルトと干渉しません。

前後逆にした目的は、コンパクトに構えて銃の重心と身体の重心を近づけてみたらどうかな?と思ったんですが、体型にもよるので、これがベストか、は分かりません。

バットプレート

次にバットプレート。肩に当たる所です。

バットプレートの上下調整幅は約45ミリです。

バットプレートの左右調整幅は、チークピースと同様に左右15ミリの片側7.5ミリです。

フォアエンド

フォアエンドは右効きの場合、左手が当たる所です。

本体下面のレールに沿って前後方向に無段階調整が可能です。上下左右の調整は出来ませんが、このような素通しのアルミ材です。

「これなら加工しやすいでしょ。やりたい人はいくらでもどうぞ」というマルゼンの思惑を感じます。

確かに、穴開け切削くらいなら私でも出来そうです。フォアエンドはボーンサポート(後述)の為に重要なパーツです。それが加工しやすいのは大歓迎です。

これなら加工して

こういうのを取り付ける事も出来そうです。

緩み易いネジ

これはSR96・96LEウッドの共通事項です。

通常使用しているだけで緩んで来るネジが2本あります。

ひとつは、ボルト後端部のマイナスネジ。

もうひとつは、マガジンを抜くと見えるマガジンキャッチ固定ネジ。

このふたつのネジは、普通に使っているだけでも少しずつ緩んで来ます。

ボルト後端部の方は緩んで来ると、コッキングの際の手応えが変わるので気付くと思います。

マガジンの方は、緩み過ぎるとマガジンが抜け難くなる事があります。

マガジンを抜く時に引っ掛かるようになったら、緩んでいないか確認しましょう。

簡単にドライバーが届く位置にあるので、ネジロック剤は使用していません。

グリップ・トリガー

トリガー自体はどうやら96LEウッドと同じ物ですね。前後・高さ・回転方向の調整が出来ます。

ただし、マルゼンの説明通り、96LEウッドよりもシアの落ちるタイミングが分かり易くなり、96LEウッドのように「あ、出ちゃった!」という事は無くなりました。

私の感覚なので間違ってるかも知れませんが、トリガーストロークのファーストステージを軽く、セカンドステージを重くしたような印象です。

重くと言ってもAPS-3の箱出し状態のトリガーよりは、かなり軽く感じます。

右手はトリガーだけに集中出来るライフルの特性故のセッティングかも知れませんね。

グリップもフォアエンド同様、レールに沿って前後調整可能です。

新品箱出し時に付いているグリップは

マルゼンのスコーピオン(右)のグリップです。

私のSR96-11Sは蔵前工房舎のアンシュッツタイプに交換してあります。グリップを比較するとスコーピオンのグリップはかなり小さいですね。

私の手は、手首から中指先端まで約20センチです。

スコーピオンのグリップを握ると中指と母指球がくっ付きそうです。

下から見ると小指がグリップ側面まで来る程、周り込んでいるのが分かります。

アンシュッツタイプグリップだと、中指と母指球はかなり離れています。

小指の位置を比べると、アンシュッツタイプグリップの方がかなり太いのが分かります。

グリップは変えた方が良い?

ここからは考察です。独断と偏見を多分に含むので参考程度にお願いします。

買って暫くは、スコーピオングリップのまま撃っていました。

それでも特に不満は無かったんですよ。

スコーピオンのグリップは握り慣れてるし、

ライフルの場合、ハンドガンのようにグリップ形状が極めて重要という事もありません。

じゃあ、何でグリップを交換したのか・・・?

実銃と同形状のグリップを握ってオリンピック選手気分の片鱗を味わいたかった・・・それだけです!!

ただのミーハーです!(1988・森高千里)

蔵前工房舎のアンシュッツタイプグリップは、実物のアンシュッツグリップから型取りしているらしいですね。

握った時のフィット感はAPS-3に近いものがあります。全く同じではありませんが。

ただ・・・ライフルの場合、重要なのは、

ボーンサポートです。ボーンサポートって何?という方はこちらへ

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つまり、余計な筋力を使わずに、銃の重量は左前腕を通して骨盤から左足底に抜けていく、というのが理想な訳です。(右利きの場合)

片手で銃を安定させなきゃいけないハンドガンとは、グリップの役割が違います。

余計な力を入れない、という意味ではハンドガンと同じですが、銃の重さをグリップで支える訳ではない、という部分が異なります。

お陰で、右手は銃を支える事は忘れてトリガーに集中出来ます。

私の場合はアンシュッツタイプの方が手に合ってるようで、トリガーの引き切りが分かり易くなりました。

手が小さい人は、スコーピオングリップの方が握り易いと思います。

マルゼンとしては、価格を抑える為に妥協した部分のようですが、人によってはスコーピオングリップも悪くないグリップだと思います。

SR96の最大の長所

私にとっては、これこそがSR96の価値です。それは・・・

チークピースと、

バットプレートの左右調整機能がある事です。

このお陰で、チークピースに頬を乗せる際、「頭部を側屈させないチーク」が何とか出来るようになってきました。

頭を側屈させると、左右の三半規管の高さが変わりますからね。バランス感覚が重要な立射では不安定要素になりそうです。

・三半規管:耳の奥にある身体のバランスセンサー

バランスセンサーが研ぎ澄まされて、真っ直ぐ立てるようになって来ると、

「身体が斜めってるから、それを支える為に使っていた筋力」

が不要になり、足の裏の力が抜けて、足の裏のどの辺に銃の重さが掛かっているのか感じられるような気がしました。

すると不思議なもので、上半身の力みが抜けたのか、銃が身体に近付いて来るような感覚になり、その位置でチークピース・バットプレートを調整しました。

多分、上手くリラックス出来たんでしょうね(^^)

この調整位置に違和感がある時は、まだ力んでいるという事でしょう。

調整ってどうやるの?については私の愛読書「ぐうたららいふるまん」さんのブログのライフル射撃教本で勉強させていただきました。

これほどの内容を無料で公開して下さっている、ぐうたららいふるまんさんには感謝しています。ライフル射撃教本はこちら↓

403 Forbidden

96LEウッドやSR-2は?

96LEウッドもチークピースとバットプレートの高さ調整は出来るんですが、左右と前後の調整が出来ないんですよ。

これはこれで、木の香りや手触りが心地良く、木の重さとしなやかさのお陰で安定感もある良いストックなんですけどね。

競技に勝つ事が最優先ならSR96。アンティーク家具のような雰囲気も含めて楽しみたいなら96LEウッドって感じですかね。

尚、体型によっては、高さ調整だけで事足りる人も居るでしょうし、木なら削る事も出来るし、96LEウッドでは勝てないと言ってる訳じゃないので誤解なきよう^^;

特に、頭を側屈させない、については、チークピースの角を落とすように削るだけで、左右調整と同様・・・いや、フィット感も加味すればそれ以上の効果があるだろうな・・・と、

SR-2の自作ダサダサチークピースを見ながら思いました。

要は、頬骨の凹みが照準線の下に位置するように調整出来れば、方法は何でも良いという事ですね(^^)

因みに、この自作チークピースの欠点は、位置調整は回転方向のみ、それ以上の調整をしたい時は、チークピース自体を作り直す必要があります。

また、可変ストックを最も縮めた状態では、ボルトと干渉してコッキング出来ません。

それでも無いより全然マシですけどね(^^)

まとめ

ここまでSR96-11Sを撃って遊んで弄ってみて感じたのは、他のどんなライフルより立射を意識した銃だな、という印象です。

軍用狙撃ライフルや狩猟ライフルでは、立射は止むを得ない場合の非常手段ですからね。

逆に言えば、ライフルを依託も無しで立射で撃つなんて、競技だからこその特殊な撃ち方とも言えます。

APSライフルをスポーツと捉え、または実銃射撃競技の基礎練習と考えるなら、修得すべきはボーンサポートです。

幅広い調整機構を持つSR96は、その練習を可能にしてくれる唯一のエアソフトガンです。(ストックをカスタムした銃を除く)

96LEウッドでも出来ない事はありませんが、身体の柔らかい人を除き、加工無しで、どんな体型でも身体が硬くても及第点と言える程度まで調整が出来るのはSR96だけだと思います。

マルゼンがSR(スポーツライフル)と名付けたのは、そういう意味なのかな?と思いました。

前述したように、ストックの殆どのパーツがアルミなので

こーゆーのとか

こーゆーのとか

こーゆーのを取り付ける加工も木製や樹脂のストックより楽だと思います。

如何にも「これは素材です」と言わんばかりの素組み感。まるでマルゼンがストックの加工を推奨しているかのようです。

本体と一緒にドリル・ヤスリ・糸ノコも買いたくなりますね!

これだけ御膳立てが揃っているので、もう少し撃ち込んだらパームレストくらいは付けようかな、と思っています。

ボーンサポートが重要なライフルでの精密射撃では、無理して「銃に身体を合わせる」と変な癖が付くリスクがあります。

「身体に銃を合わせる」事が出来るSR96は、スポーツとして楽しめる銃だと思います。

サイズの合わないスキー靴では上手く滑れないのと同じですね(^^)

今回で、SR96-11S紹介シリーズは一旦終了します。紹介シリーズでは、少なくとも機関部がノーマルの状態を紹介したかったので。

この後は少しずつ彼方此方と手を入れて行く事になると思います。

そして、これだけ立射を意識した銃なので、立射での比較をしたくなりました。

近い内に「APSライフル3丁で立射対決」をやりたいと思っています。

では今回はこの辺で。

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