50m先のフライパンを狙う!スコープの使い方

50mシューティング

加速シリンダー仕様のVSR-10.Gスペック

ノーマルパーツの加工のみで組んだVSR-10リアルショック、ファインチューン仕様

50m先のフライパンは、こんな感じに見えます。

32cmのフライパンを三脚に固定して撃ってます。風見として洗濯バサミにリボンを挟んでいます。

概要

今回は、私が50mシューティングの時にやっているスコープの使い方について紹介します。

50mシューティングとは50m先に置いた30 センチ前後(私の場合は32センチ)の円形フライパンをエアガンで撃ち、30発撃って何発当たるか?という遊びです。(マイルールは人それぞれ)

この記事を書いている時点で、VSR-10.Gスペック加速シリンダー仕様で25発、VSR-10リアルショックで19発当てる事に成功しました。25発的中の動画はこちら↓

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今回紹介するのは、スコープをどう調整してどう使うか?です。

APS等の精密射撃でのゼロインは、ペーパーターゲットでグルーピングを測定し、最も離れた弾痕の距離を弾数で割ってセンターを出す方法が一般的だと思います。

50mでも同じ事が出来れば理想的ですが、大型のペーパーターゲットと台座を用意して、射場に運ぶ手間を考えると、現実的ではありません。

また、BB弾で50mとなると、スコープで狙った通りに着弾する事は、殆どありません。

となると、APS競技銃等と比べると、かなり大雑把なゼロインしか出来ないという事です。

以上の観点から、私の場合は事前のゼロインは行わず、50m射場に行って実際に撃ちながら大雑把なゼロインをします。

題材とするスコープの紹介

Gスペックに装着しているのは、フロンティアの1-6倍CQBスコープです。アイレリーフ(接眼レンズと眼の距離)が短めなので、取付位置をマウントレールの後ろ寄りにしています。

リアルショックの方は、フロンティアの3-10倍サイドフォーカススコープです。こちらはアイレリーフが長めなので、取付位置は前寄りです。

M.O.Aってなんだ?

こんなの見た事ありませんか?これはフロンティアの1-6倍CQBスコープです。1/2M.O.Aと書いてあります。

こっちはフロンティアの3-10倍サイドフォーカススコープです。M.O.Aの表記は省略されているようです。100Ydsとは100ヤードの意です。

そもそもM.O.Aって何でしょう。

ミニット、オブ、アングルの略です。ミニットというのは日本語で言えば、角度の単位の「分」、つまり1/60度です。

1M.O.A=1/60度。これは、100ヤード(約91.4m)先の着弾点にして1インチ分です。

分かりにくいので、メートル法に換算しましょう。

50m先をスコープで見た時に、1moa分、調整ダイヤルを回したとします。

1moaとは、「1クリック1/2moa」と書いてある1-6倍スコープなら、カチカチと2クリックです。3-10倍スコープのように「1クリック1/4moa」なら4クリックです。

1ヤードは0.9144メートル、1インチは2.54センチです。

つまり、91.4m先の標的を狙い、スコープを1moa調整すると、着弾点が2.54cm変化します。

私が撃つのは50mなので、50mに換算すると1moaは約1.39cmです。

スコープの調整ダイヤル

1-6倍スコープの上下調整ダイヤル

1-6倍スコープは1回転が60クリックです。つまりダイヤルを1回転させると30moa=約41.7センチ、着弾点が移動します。

私は大雑把に1回転40センチくらい、と覚えています。現場でmoaの計算なんてしたくないですからね。

3-10倍スコープの上下調整ダイヤル

3-10倍スコープも1回転は60クリックですが、1クリック1/4moaなので、ダイヤルを1回転させると、15moa=約20.85センチ、着弾点が移動します。

こっちは1回転20センチで覚えています。BB弾の精度ならこれで充分だと思います。

因みにAPSライフルの場合なら、標的までの距離は10mなので、1回転で約4センチとなり、私が部屋撃ち練習している距離6mなら1回転で約2.5センチとなります。

上下左右の調整ダイヤル

まず基礎知識として上下左右の調整ダイヤルについてです。

市販のライフルスコープは、1クリックで1/2〜1/8moa位、ダイヤルを1回転させるとちょうど60クリック動く物が多いんじゃないかと思います。

ここでは、他の市販スコープとの共通項の多いフロンティアオリジナルスコープ、3-10倍を題材に話を進めます。

前述したように、このスコープで50m先の着弾点を調整する際、ダイヤルを4クリック、つまり1moa動かすと着弾点が1.39cm、ダイヤルを1回転すると20.85cm移動します。

遠射の場合、自分のスコープは1回転で何cm移動するのか?を大雑把で良いので把握する方法が一番簡単だと思います。

精密射撃のような近距離の場合は、1cm移動させるのに何クリックすれば良いか?を覚えた方が分かり易いでしょう。

ミルドットとは

この点々がミルドットです。これはフロンティアの1-6倍スコープの1倍です。これは室内ですが流石に1倍だと、こんな2m程度の至近距離でもピントが合います。

こちらはフロンティアの3-10倍サイドフォーカスコープの3倍です。2mではピントは合いませんが、ミルドットは確認出来ます。

ミルドットは、50m先を倍率6倍で見た時、ドットとドットの間が5センチになります。倍率3倍で見れば10センチです。

後日、1-6倍スコープで50m先の32センチのフライパンを見たスコープ画像を撮影しました。写真は白くボヤけてますが、肉眼だと綺麗に見えます。

上の写真を引き伸ばしました。直径32センチのフライパンを見ると、確かにドットとドットの間隔が5センチなのが分かります。

50m先のフライパンを6倍で見ています。ミルドットのミルとは6倍で見た時に1/1000という意味です。50メートルの1/1000なので5センチという事です。

このまま、スコープの倍率だけを調整して3倍まで縮小すればドットの間隔は10センチになるし、12倍に拡大すれば2.5センチになります。

ミルドットを使ってゼロイン

ミルドットを使ってゼロインすると、なるべく少ない弾数でゼロインを完了させる事が可能です。

慣れるまでは少し面倒臭いですが、なぜそんな事をするのかというと、50mシューティングの最中に、丁度良いホップの強さを探して何度もホップを変えるからです。ホップを1段カチッと変えるたびに、20〜30発使ってゼロインをやり直す方が余程面倒です。

理想的には、ホップを1段変えたら、どの位着弾点が変わったか?を1発撃つだけで見極めて、瞬時にダイヤルを回す量を暗算したい所です。

残念ながら現実には、50mという距離はBB弾の精度の限界を超えているので、狙点と着弾点のズレが20〜30センチなんて事もザラなので、理想通りには行きませんが。

半分ずつ寄せる

ならどうするか?私の方法は「半分ずつ寄せる」です。

例えば、フライパンの中心を狙って1発撃ってみたら、右に80cmズレたとします。そしたら、左に40cm修正するようにダイヤルを回します。もう1発撃ってみると、右に20cmズレたとします。今度は左に10cm分、修正します。

これが半分ずつ寄せる方法です。この時に、先程のmoaとミルドットの知識が役立ちます。

なら、これをどの程度まで繰り返すか?ですが、これはその銃と弾の命中精度によって変わるので、数値では明言出来ませんが、一言で言えば「上下左右に均等に散るようになった時」です。

私の場合、50m先のフライパンに3〜4発連続で的中したら「だいたい合って来たかな?」という事にして、後はミルドットで微調整しながら撃ちます。

50m射撃時の倍率

私は50mの場合4〜6倍を使う事が多いんですが、これは、弾道の全体像を見る為です。

APSライフルなら例え5-10mでも12倍を使いますが、それは狙点通りに着弾してくれるような銃と弾と距離だからです。

50mの場合、予測が必要です。

ホップの掛かり方によって、50m地点で弾が上昇中なのか下降中なのか、風向きによって左右は勿論、追い風ならホップによるS時弾道が、長いSの字になります。

向かい風なら、その逆です。

ホップを弱めにした落下弾道の方が命中率が高いのですが、それはS字が長いか短いかの予測を必要とせず、単にどの辺で落下するか?を予測すれば良い、という理由もあると思います。

勿論、以前の記事にも書いた、50m付近まで飛んで弾速が低下した時に、重力による慣性力に助けられて上下左右に散り難い、という理由が1番だと思いますが。

私が射場でまずやる事

私は、射場に着いてフライパンを設置したら、まずホップ最弱で撃ち始めます。勿論、弾はすぐに落下します。

1発撃つ毎にホップをひとつずつ上げて行きます。これは、ホップパッキンのゴムやシリンダー内のグリスを慣らす、という意味合いが大きいです。車やバイクの暖機運転みたいな物です。

ある程度、真っ直ぐ飛ぶようになった辺りでスコープを調整し始めます。前回、50m射撃に来た時に、ちゃんと合わせたつもりでも、気温も湿度も太陽光による銃本体の温められ方も違う事が多いので、前回と同じように弾が飛ぶ事は少ないです。

なので、初期のスコープ調整はかなり大胆にダイヤルを回します。フライパンの上を通り越したら下向きに一気に1回転!左に逸れたら右に1回転。大きめに回した方が違いが分かり易いので。

ただ、ある程度、例えば3-4発に1発くらい当たるようになって来たら、回す量をだんだん減らして行きます。1回転だったのを半回転にしたり1/4回転にしたり、10クリックにしたり。

これが前述した、半分ずつ寄せる、です。

ただ、10クリック未満にする事はまずありません。1回転つまり60クリックで20センチとすると、6クリックなら2センチです。

BB弾の命中精度を考えると50mの場合は、これでは違いが分かりません。10クリックでも少ないくらいです。

最終調整でも15クリックの1/4回転、つまり45度位で良いと思います。その方がクリックを数える手間を省略出来ます。

この間も、ホップを上げながら、見ていて気持ち良い弾道を探します。この過程でホップパッキンが温まって来て、ホップの掛かり方も変わって来ると思います。

重量弾を使う理由

当てる事を優先するなら、やや落下弾道の方が当たるような気もしますが、下から伸び上がって来る弾道を見るのも楽しいものです。

ただ、私の場合、ホップ性能の限界を使うような重い弾を使いたいので、結果的に落下弾道になってしまいますが。

重い弾を使うのは、以前の記事でも話した「野球の硬球とスポンジのボール、どっちが真っ直ぐ遠くまで飛びますか?」の理屈です。

私は、弾の直進性の向上を求めて重量弾を使いますが、野外で撃つので、無風という事は殆どありません。

多少なりとも風が吹いているのが普通です。せっかくの日曜日、用事も無く天気も良いのに、風があるから撃ちに行けない、なんて勿体ないです。

もちろん、風が強い日は、最高記録は出ないでしょうが、風を読む事も、長距離射撃の楽しみのひとつでもあります。

さすがに軽量弾で50mでは、横風で遥か彼方へ吹っ飛ばされてしまいますが、重量弾なら、少し曲がるだけで済みます。それなら、風を読んで照準修正する事を楽しむ事が出来ます。

それに重量弾の方が初速が遅く最後まで真っ直ぐ飛ぶので、弾道を見て楽しむ時間も長くなります。

風に対する照準補正

まず、風がどのくらい吹いているか?を判断します。もちろん、自分が居る場所だけでなく、50m先での風の強さもです。

この時、便利なのが、風で揺れるような草が沢山生えている場所の場合です。季節によっても草の生え方は変わりますが、運良くそんな場所だった場合は、射線上の途中の場所の風量もある程度読む事が出来ます。

とは言え、1番重要なのは弾速が落ちて弾の慣性力が弱くなる40-50m辺りの風速ですから、草が無い場所なら風見を付ければ良いです。

私の場合は、三脚の調整レバーにフライパンの持ち手を大型洗濯バサミで固定しているので、洗濯バサミにダイソーで買ったリボンを挟んでいます。別にリボンじゃなくても、風になびけば何でも良いです。

風が吹いて弾が逸れる場合には、スコープの調整ダイヤルは触らずに、ミルドットを使って狙点を補正します。

例えば、横風が強い時、撃った弾がフライパン半個分、左に逸れたとしましょう。私のフライパンは直径32センチですから、大雑把ですが15センチくらい右を狙えば当たる事になります。

6倍ならミルドットの間隔が5センチなので、15センチならドット3つ分です。左側3つ目のドットをフライパンの中心に合わせれば、15センチ右に着弾するという事です。あくまで理論上ですけど。

風がラスボス

ある程度サイト調整が出来たとして、最後は風との闘いです。実際には、風は刻一刻と変わり続け、時折強く吹いたりするので、完璧に風に合わせるのは無理です。

そこで風見を見たり、草の揺れ方を見たり、風が弱まるタイミングを待ったり、色々やってみるんですが、これがなかなか上手く行きません。

また、風上方向にホップを効かせようと思って、照準をズラすのではなく、銃を風上方向に傾けてみた事もありますが、これは失敗でした。

本来、ホップによる上昇量込みで50m届くように調整した筈なのに、ホップの揚力を他の事に使ってしまっては、手前で落ちてしまいます。あくまでも、右からの横風なら右に狙点をズラす事で補正すべきです。

追風と向かい風

さっきも少し触れましたが、S字弾道について少し補足します。

BB弾で50mを撃つと、ホップのセッティングと弾の重さによって、やや落ち気味の落下弾道か、S字弾道になると思います。

追風の場合は、落下弾道なら簡単です。飛距離が伸びて着弾が上に逸れるので、もっと下を狙えば良いです。

S字弾道だとちょっと複雑です。着弾地点で弾が上昇中なのか?下降中なのか?追風によりSの字が長く伸びます。無風の時は上昇した後の落下中に着弾していたのに、長いS字になったせいで、まだ弾が低伸している上昇中に50m地点に達してしまうかも知れません。

そうなると、追風が強くなり、良く飛ぶようになったのに、更に上を狙わないと、当たらないという逆転現象が起こります。この難しさも、落下弾道の方が当たる、という定説の要因ではないか?と思います。

また、スコープで弾を後方から見ていると、弾が50m地点を通過する時、S字カーブのどの辺りなのか?を判別するのはかなり難しいです。

1番上がった時にフライパンより1個分上だな・・くらいは分かりますが、それが48m地点なのか50m地点なのか、見分けられません。そういう難しさも相まって、当てる事を優先するなら、少しだけ落下して50m地点に到達する弾道が良く当たるセッティングだと思います。

ただ、当たらなくても遊びとしては、見てて面白いんですよねぇ。下から突き上げるようなアッパーカット弾道は!

しかも、当たった時に、カァーンと鳴り響く着弾音が、落下弾道の時より大きいような気がします。これがとても気持ち良い音色です。ホップ回転の影響により、弾の質量がフライパンにより多く伝わっているんだと思います。

50m射撃の魅力

そもそも、50mシューティングの何がどう楽しいのか?を考えてみました。私は、銃で的を撃つ遊びも競技も、シューティングは全部好きです。

シューティングの中でも、50mシューティングでしか味わえない面白さが、弾道を見て楽しむ事です。

弾の後ろ姿がどんどん小さくなって、ターゲットの中心に吸い込まれていく様子を、ニヤニヤしながら観賞する楽しみは、エアガンロングレンジシューターの1番の楽しみかも知れません。

だからこそ、ただフライパンに当てるだけでなく、自分にとって理想的で、見惚れてしまうような弾道で的中させられれば、より至福のひと時を味わう事が出来るのでは、と思います。

では今回はこの辺で。

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Gスペックvsリアルショックの50m対決の動画はこちら

VSR-10 50m対決!加速シリンダーGスペックvs純正ファインチューン リアルショック本編#2#3
加速シリンダーGスペックと純正パーツ加工で組んだリアルショックで50m先のフライパンを撃ちます。私自身が興味深々だった対決企画です。ブログのリンクです。銃に関する詳細や、今回から変更したホップの加工については、こちらをご覧下さい。

Gスペック加速シリンダー仕様の現時点での自己ベスト(25/30的中)動画はこちら

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