- 概要
- 使ったターゲット
- 撃つ距離
- 使った弾
- 実射結果
- 銃の重さ
- 考察
- SR96-11Sが96LEウッドに負けた5つの理由
- 96LEウッド目線で見た場合の優位性
- SR-2はダメダメなのか?
- まとめ
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- マルゼン APSライフル SR96の取扱店について
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- マルゼンAPS.SR96-11Sの記事一覧はこちら
- マルゼンAPS.type96.LE2021ウッドストックの記事一覧はこちら
- マルゼンAPS.SR-2の記事一覧はこちら
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概要
今回はマルゼンのAPSライフルの3丁、SR96-11S・type96.LE2021ウッドストック・SR-2で立射による比較をします。
この立射比較は、やるかどうか迷いました。私のような初心者が立射したところで、正確な比較データにはならないと思ったので。
ただ、SR96の最大の長所とも言えるストック調整機構は、立射姿勢での安定性、延いては集弾性を向上させる為の物です。
そもそもAPS競技銃ですからね。いくら依託射撃での集弾性が良くても、立射でグラグラするようでは、競技銃としての性能は低いと言わざるを得ません。
射手が下手糞という不安要素は残りますが、同じ射手が撃つという事で、上級者の方には広い心で見守って頂ければ幸いです。
使ったターゲット
毎度おなじみのフロンティアのAPSターゲットです。オープンサイトのSR96-11Sでは黒丸を使いました。
スコープ付の96LEウッドとSR-2では白丸を使いました。黒丸同様、フロンティアの物です。
撃つ距離
距離は敢えて5mで撃ちます。10mで撃つと、弾の善し悪しによる集弾性の差が出やすいのですが、5mなら僅差です。
弾の差が少ない条件なら、立射の結果を左右する要因は、射手の技能(80%)+銃の性能(20%)くらいかな?と思います。
銃の性能というのは、機械単体の精度だけではなく、人間が使い易いように工夫されているか?という意味です。
使った弾
使った弾は、5m練習で毎日使っているG&Gの0.28gプラ弾です。5m程度なら高価な弾と比べても集弾性に大きな差が出ないコスパの良い弾です。
実射結果
一枚のターゲットペーパーに10発撃ちました。ひとつの銃で計30発。APSルールに準い2分間に5発ずつ撃ちました。
狙点は全て真ん中を狙いました。真ん中に集弾しているかどうかはゼロインの問題なので、銃自体の精度とは無関係ですから、グルーピングだけで比較します。
まずはSR96-11Sで10発×3回撃った結果です。
SR96-11Sのグルーピング結果は15.5mm・15.0 mm・17.5mm。3枚の数値の合計は48.0でした。
次に96LEウッド
96LEウッドでは、14.0mm・10.2mm・16.7mm。合計は40.9でした。
そしてSR-2
SR-2では、17.9mm・17.8mm・19.8mm。合計は55.5でした。
銃の重さ
撃ち終わってみて、ちょっと気になった(理由は後述)ので銃の重さを測ってみました。弾は入っていませんが、スコープ等は付けたままです。
SR96-11Sは約3.5キロ。
96LEウッドは約4.2キロ。
SR-2は約2.9キロでした。
考察
まずは、グルーピング結果をまとめてみます。3丁の3回の合計値を良かった順に並べると
- 96LEウッド:40.9
- SR96-11S:48.0
- SR-2:55.5
という順番になりました。偶然かも知れませんがこの順番は、銃の重さが重い順と同じ、オマケに付け足せば、価格順でもあります(^^;;
まぁ、価格は冗談としても、重さは無関係では無いかも知れません。
それを顕著に感じたのは、96LEウッドとSR-2でスコープを覗いて狙っている時です。
2丁とも同じ、ヒューガの12倍のスコープですから、依託射撃等で揺れていない時の見え方は同じです。
ところが立射では、接眼レンズの中の標的は、上下左右に慌ただしく動き回ります。
その動き回るスピードと動く幅が、SR-2の方が大きかったんです。
今回の立射では、SR96-11S・96LEウッド・SR-2の順で撃ったんですが、
96LEウッドを撃ち終わって小休止した後、SR-2のスコープを除いた時、思わず「はやっ!」と声に出てしまいました。
もちろん、96LEウッドとSR-2はストック形状も違えば重心バランスも違う全く別の銃なので、単純に重量だけでの比較は出来ませんが。
ストック形状と言えば、右利きの場合、左手で保持するフォアエンド部分。
96LEウッドはトリガー下端部より下まで盛り上がってるんですが、
SR-2はトリガーの付け根辺りまでしか有りません。
この影響で、SR-2では左手の保持位置が高くなり、左肘と体幹の密着度が甘くなります。
こういうのを付ければ改善しそうな気もしますが、こんなの買ったら
に、付けたくなっちゃうでしょうね^^;
で、今回期待していたSR96-11Sですが、SR-2には勝ちましたが、96LEウッドには予想以上の大差で負けました。
撃つ前の予想ではSR96-11Sが勝つんじゃないかな?と思ってましたからね。
その理由は、ハイサイトブロックやチークピースの高さ等のセッティングにより、左肘が体幹に密着する感覚が、SR96-11Sが1番強かったからです。
SR96-11Sが96LEウッドに負けた5つの理由
出来るだけ自己分析してみます。SR96-11Sが負けた要因として考えられるのは
- 96LEウッドは機関部がノーマルではない
- SR96-11Sは買って間もないので、射手がまだ慣れていない
- ボーンサポートを実現する為の各部のセッティングがまだ甘い
- オープンサイトだから難しい
- そもそも射手がボーンサポート出来ていない
ひとつずつ見ていきましょう。
1・96LEウッドは機関部がノーマルではない
96LEウッドは、私がシリンダーを開けてパワーを上げてあります。その記事はこちら
その結果、集弾性が少しですが向上しました。その記事はこちら
つまり、銃単体の集弾性能は96LEウッドが有利。でも、ボーンサポートがやり易いストックだから立射なら有利という意味ではSR96-11S。
重い銃が有利なら96LEウッドが重いんですが、SR96-11Sには、
マズル付近にフロントサイト・ハイサイトブロック・マウントベースが付いているので、重心から最も遠い所に重りが付いているような物です。
バランサーと言える程の重さはありませんが、重心からの距離を考えれば多少は効くんじゃないかな、と思いたいんですが・・・(^^;)
2・SR96-11Sは買って間も無いので、射手がまだ慣れていない
例えば・・・ガンロッカーから銃を取り出し、弾を装填する一連の動作。手に馴染んだ銃だと、この動作が目を瞑っていても出来たりします。
SR96-11Sではまだ出来ません。わざわざ練習するような事でも無いんですが、まだ身体の一部のように扱えていないと思います。
何が言いたいかというと、手に馴染む程撃ち込んだ銃って、その銃特有の中たる撃ち方を身体が覚えて来るんですよね。例え無意識でも。
SR96-11Sはまだそこまで撃ち込んでいない、という事です。
3・ボーンサポートを実現する為の各部のセッティングがまだ甘い
ボーンサポートは「銃を骨格に載せる」訳ですから、それこそ体格に合わせたミリ単位での調整が必要です。
それが出来てこそのSR96の本領発揮だと思います。
でなければ、ズレている誤差分は筋力で補う事になるので、その分、銃は揺れます。
4・オープンサイトだから難しい
慣れの問題かも知れませんが、スコープの場合は頑張らなくても見えます。
ピープサイト、特にマイクロサイトの場合、サイトを覗いている時間が長くなればなる程、目がショボショボして、黒点がボヤけて来ます。
そうなる前に早めに照準して発射しないと、目だけでなく、手までジンジンして来ます。
目のショボショボは、私の視力が悪いせいもあるでしょうし、手がそんなに簡単にジンジンするようではボーンサポートが出来てないって事でしょうね。
オリンピックの動画を見ていると、選手が銃を台に置いて、目も瞑ってコンセントレーションしているシーンがあります。
この気持ちが少し分かったような気がします。
短時間で終わるAPSですら、最初に目が疲れます。実銃の大会のように長時間撃ちっぱなしだったら・・・小まめに休憩しないと目眩がするでしょうね。
5・そもそも射手がボーンサポート出来ていない
ボーンサポートと何度もしつこく言って恐縮ですが、それほど重要だと思っています。
ボーンサポートについては「ぐうたららいふるまん」さんのブログ、ライフル射撃教本で勉強しました。こちらです↓
それでも下手糞の自覚はありますが、それはひとまず置いといて出来るだけ自己分析してみます。
2分で5発撃つ合間の休憩中に、オリンピックの動画を見ていて気付いた事がありました。
左前腕の角度です。垂線に対して90度以上、体幹側に曲がっています。
この状態で左肘が腸骨稜に乗っかる訳ですから、左手に銃の重さが掛かったとしても、上腕二頭筋や三角筋の筋力は使いません。
私はこれが出来ていません!
左前腕が垂線に対して、60〜70度くらいになってしまいます。どうりで長時間据銃していると上腕二頭筋が疲れる訳です。
オッサンなので身体が硬いのか、運動不足なのか、練習不足なのか・・・全部ですね(TT)
もちろん、出来てない事は、他にも沢山あると思いますが、とりあえず気付いた事です。
幸い、調整機構の豊富なSR96ですからね!フィジカルトレーニングと併せて、セッティングでどこまで改善出来るのか?今後の研究テーマとして楽しみです。
96LEウッド目線で見た場合の優位性
今度は逆に96LEウッドが何故勝ったのか?も考えてみます。
- 銃自体の精度
- 重い
- 慣れ
- スコープの性能
- 反動
ひとつずつ解説します。
・銃自体の精度
前述した通り、ノーマルじゃないからですね。ただし、10mグルーピング結果を見てもSR96-11Sとの差は僅差なので、5mでそれ以上の差が付くとも思えません。
となると、これ以外の要素の方が影響が大きかった、と見た方が妥当でしょうね。
・重い
これがどの位の影響があるか?は分かりませんが、前述の通りSR-2と揺れ方の比較をした場合、明らかに揺れが少なかったので、馬鹿に出来ない影響はあると思います。
実銃も競技用エアライフルの場合は4.5〜5キロ位ありますよね。
50mを撃つスモールボアライフルならもっと重いです。まぁ、スモールボアは装薬弾なので反動抑制という要素もあるんでしょうけど。
・慣れ
これも前述の通り、この銃に合った撃ち方に慣れていたんでしょうね。
96LEウッドは買ってから毎日撃ってましたから、多分、4000〜5000発位は撃ってます。
撃ち方は、風呂上がりに立射で5m1センチサイコロを「5連続ヒットするまで寝られまテン!」です^^;
次の日、早起きしなきゃいけない時は、緊張して変な汗が出ます(・・;)
たくさん撃つ事よりも、必ず中てる事!を意識するようになりました。
手に汗握る撃ち方で数千発も撃てば、そりゃ慣れますよね。
・スコープの性能
これは、ハイレベルな解像度とか精度とか、数十万円の実物スコープに期待されるような性能、という話ではありません。
私の使用環境、5m程度のお座敷シューティングに適した性能、という意味です。
5〜10mくらいのお座敷APSシューターが使う距離で、どれだけ拡大出来るか?です。
5m先の1センチのサイコロを12倍で見ると
表面の傷や汚れまで見えます。
更に言えばミルドットも付いているので、自分が今どのくらい揺れてるのか?狙点にして5ミリ揺れたのか?8ミリなのか?が目視で確認出来ます。
マイクロサイトでも慣れれば、それが出来るのかも知れませんが、私にはまだ無理です。
よく見えれば「揺れが5ミリ以下になった!ここで焦らずゆっくり絞れ!」という撃ち方が出来ます。
SR-2にも同じスコープが付いている事を考えると、「よく見えるサイト」と「揺れない銃」の相乗効果でしょうね。
・反動
エアガンで反動ってどういう事?って思いますよね。
この場合の反動とは、実銃の装薬銃みたいな反動ではなく、次世代電動ガンやVSR-10リアルショックやガスブロみたいな”振動”という意味です。
敢えて反動と書きますが、撃ってみた感触として、3丁の中でSR96-11Sが1番反動が大きいと感じました。
この反動によって、発射する瞬間、僅かにですがフロントサイトが揺れるのが見えました。
もしかしたら、命中精度に影響があるかも知れません。
ピストンが前進し始める時の反動なのか、前進したピストンがシリンダーヘッドに当たった時の共振なのか分かりませんが、音質から判断するとシリンダーヘッドに当たった時のような気がします。
そのうちシリンダーを開けて確かめてみたいですね。
運が良ければ、気密を上げてエアブレーキを掛けれるだけで改善するかも知れません。
SR-2はダメダメなのか?
今回、最下位となったSR-2。
APSの本大会で上位を狙えるか?という話なら、ウデ次第?と言わざるを得ません。
ただ、それは「銃が良ければ上位を狙える人」の話です。
私を筆頭に「まだそこまで上手い訳じゃない」という人の場合、SR-2はそこまで悪い銃ではありません。
何と言ってもまず価格。SR96は確かに良い銃ですが「ちょっと高いな」と思う人も居るでしょう。
でもSR-2なら、その心配はありません。
新品が在庫切れで中古を買ったら不調だったとしても、ノーマルだったら大丈夫!マルゼンの神対応が炸裂します。
お金無いよ〜(TT)という人は中古で良いのでノーマル銃を買いましょう。下手にカスタム銃を買うとマルゼンが修理してくれない可能性があります。
ノーマルならむしろ、一度マルゼンに預けた方が、新品状態より良くなるかも知れませんよ。私のSR-2がそうでした。その時の記事はこちら↓
と、このように調子の良いノーマルのSR-2は、10mで2センチ前後のグルーピングは出る銃です。
銃自体の精度は、SR96-11Sや96LEウッドと比較しても、そこまで見劣りする性能ではありません。
となると、立射時の揺れを何とか出来れば、上位入賞も可能かも知れません。
私のSR-2はアルミテープで可変ストックのガタを減らして、ホームセンターで買ったゴムパイプで作ったチークピースを括り付けただけです。
それだけで私のような下手糞でも、APS公式のシャープシューターバッジは取れました。
上手い人なら、もっと上のバッジを狙えると思います。
SR96のような細かいポジション調整は出来ませんが、私(179cm94kg)より小柄な人が据銃すれば、もう少しポジションが合うような気がします。
SR-2の長所は以外と沢山あります。
SR-2は他のAPSライフルより少し短いので、内寸1mのライフルケースに入ります。軽い重量と相まって、家の中の移動やシューティングレンジへの運搬がかなり楽です。
アマゾ◯で買った、G&G製の「衝撃耐性 1M ライフルケース アルミハードケース 100cm キーロックつき」¥10,000にSR-2を入れるとこんな感じ。
こちらはフロンティアで買った「UFC PCハードガンケース」¥15,000。96LEウッドやSR96はこのサイズが必要です。
大きさがふた回りくらい違います。
SR-2を入れたままのG&Gのガンケースは約6キロ。
96LEウッドを入れたままのUFCのガンケースは14キロ弱。
14キロは、そこそこ腕力のある人じゃないと辛いと思います。
ノーマルで左利きに対応してるのもSR-2だけだし、折り畳み可能なバイポットは射撃の合間に置いておくのも楽だし、短いから家の中を移動中に柱にガン!!とかも殆ど無いし。
立射性能だけを比べちゃうとSR-2の短所が目立っちゃうけど、それ以外の練習とか実用面での長所が多いんですよ、SR-2は。
軽くて揺れやすい銃を安定させる事も練習として効果的な気もします。
ちゃんとリラックス出来てるか?をシビアに求められる訳ですからね^^;
SR-2で練習して上手くなったら高い銃を買うという順序が、もしかしたら最短距離なのかな?という気もします。
まとめ
まとめと言うより後日談なんですが、今回の立射計測をやった翌日の話です。
いつものように5mで1センチサイコロを撃って遊んでいました。
なんとなく違和感があったので、試しにバットプレートの左右位置を変更してみました。すると・・・
インサートと黒いサイコロの間の白い隙間が広くなったような気がして・・・
試しにインサートを内径4.0ミリから3.6ミリに絞ってみたら・・・
いきなり10個連続ヒットしてしまいました!?
今までなら10個連続なんて、かなり調子の良い時に運が良ければ中たるかな?という難易度です。
もちろん、この時も運が良かっただけかも知れません。が、白い隙間が広く見えたのも事実です。
もしかして・・・バットプレートの調整によって銃の揺れが減少したので、
黒いサイコロをインサートの中心付近に、静止に近い状態で捉えられるようになり、
サイコロの周りの白い隙間が広く見えるようになったので、
隙間を狭くした方が正確に狙える・・・という事かも知れません。
何が言いたいか?というと・・・
もっとSR96-11Sを撃ち込んで、豊富な調整機構を使いこなせるようになれば、SR96-11Sの立射での安定性は更に向上するんじゃないかな?という事です。
立射での精度については、いずれまた再計測したいと思っています。
それにしても、マイクロサイトは面白いですね!
マイクロサイトを持っていなかった頃、「レンズが無いのに小さい的なんて見えんの⁉︎」と思っていたのが嘘のようです。
的としてなら見えます。スコープみたいに表面の汚れまでは見えませんけどね。
余計な物は見えない方が幸せ、というのも射撃に限らず人生にはよくある事です・・・
では、話が余計な方向に脱線する前に、今回はこの辺で。(^^)/~~~
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マルゼンAPSライフルSR96はプロショップサポーターという専門店のみでの取扱です。その中でもAPSライフルの専門店は蔵前工房舎です。プロショップサポーター一覧はこちら↓
■株式会社 國友銃砲火薬店
http://www.kunitomogs.co.jp/
■株式会社 銀座銃砲店
http://www.ginzagun.com/
■ライフルショップ エニス
https://www.rs-ennis.com/
■ホビーショップ フロンティア
http://frontier1.shop29.makeshop.jp/shopbrand/ct295/
■蔵前工房舎
https://kuwata-koubousha.com/
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