概要
前回のその5から再開したSR96の命中精度向上計画。今回はチャンバーです。その5をまだ見ていない方はこちら↓
前回のシアーのグリスアップは単なるメンテナンスでしたが、今回はメンテとチューニングです。主にチャンバーパッキン周りの気密を向上します。
はじめて分解する方やチューニングに興味ない方は、中盤まではメンテ記事なので分解方法を見て下さい。
今回は後半で、前回チャンバーをイジった時に不足していた部分を補強します。
前回チャンバーをイジった時とはこちら↓
この時はチャンバーパッキンにセロテープを巻きました。それを組み込む時、ある違和感がありました。
違和感とは・・・パッキンを組み込む時に何の抵抗感もなくスポッと入っちゃった事です。
「ここって一番高い気圧が掛かる所だよね?こんなにユルユルでいいのかな?」という疑問が湧きました。
VSR-10で50mシューティングをやってた頃は、どうやってエア漏れを減らすか試行錯誤しました。
宮川ゴムのパッキンなんて最初からキッツキツですもんね。
エアが漏れるかどうか?は加速シリンダーの場合、ホップ回転数に影響するので初速を上げずに重量弾を50m飛ばす為には最重要です。
なら、ホップ不要なAPSでは関係ないのでは?と思った事もありました。
SR96にはホップはありませんが初速を安定させる為に気密保持は必要だと思います。パッキンがユルユルだと弾保持位置も不安定になりそうだし。弾保持位置とは・・
弾とノズルが密着した状態から発射したいという意味です。
その為にコッキングの際は、弾をパッキンに押し込むパートをゆっくりやった方が良いと思います。
実は前回チャンバーをイジった後、こっそり試行錯誤していました。
チャンバーパッキンのセロテープの巻数を増減してみたり、
前側パッキンに弾保持強化の為のアルミテープを巻いてみたり、後側パッキンに気密向上の為のシールテープを巻いてみたり・・・まぁ、いろいろやりました。
それぞれの仕様での10mグルーピング検証はしていませんが、仕様を変えた時は室内で5m先に置いたBB弾を委託射撃してみた所、シールテープ仕様がよく中たりました。
今回はそのシールテープ仕様を組みます。前半はオーバーホールを兼ねた通常のバラシです。
作業開始
では作業に入ります。
前回同様、小物入れが無い場合は用意する事をお勧めします。トリガーボックス程じゃありませんが細かいパーツがあります。Amazonで見てみる↓
今回はパッキンの清掃も兼ねて一旦全部バラします。はじめての方はその工程をご覧下さい。
前回同様、説明書に書いてある事は端折ります。パーツ名称は正式名称ではありません。
レシーバーからアウターバレルを外す
レシーバー下面の4本のビスを緩めます。最初は少しキツいです。サイズの合うドライバーを用意して押しながら回します。
アウターバレルホルダーを外します。
[組み立てる時は、この4本のビスは数回に分けて順に締め込みます。エンジンのクランクケースと同じです。対角線上に数度に分けて締めると一本のビスを一気に締め込むより均等に締め込む事が出来ます。]
するとレシーバーとアウターバレルが分割出来ます。
横着してシリンダーを外さずにやりました。シリンダーを付けたままやる場合は、シリンダーを傷付けないようにゆっくり抜きましょう。
アウターバレルからチャンバーとインナーバレルを外す
次にマガジンキャッチを外します。これでマズルを上に向けるとチャンバーとインナーバレルが抜けてきます。
私の場合はバレル固定してあるのでバレルスペーサーがくっ付いて来ましたが、ノーマルならこの段階で抜けるのはチャンバー・インナーバレル・バレルスプリングまでです。
バレル固定についてはインナーバレルの記事を別に書きます。
チャンバーからインナーバレルを外す
チャンバーの穴の中に小さなナットが入っています。マガジンキャッチ固定ビスの受け側のナットです。失くさないように外して保管します。
インナーバレル固定ナットを外します。スパナは12ミリです。
ちょっと硬いですがチャンバー(銀色の部分)を強く握ってスパナを反時計周り(順ネジ)に回せば緩みます。
メガネレンチがあれば力を入れ易いです。私も最初は片口メガネを使いました。Amazonで見てみる↓
チャンバーの穴の中にワッシャーが残っています。失くさないように保管します。
インナーバレルからパッキンを外す
インナーバレルはこんな感じです。写真右端に付いているパッキンホルダーを外すと
パッキンホルダーの中に後側パッキン、パッキンホルダーより前に前側パッキンが入っています。
パッキンの洗浄と状態確認
パッキンを石鹸で洗います。ゴム対応のパーツクリーナーも市販してますがゴムを侵さないだけです。パーツクリーナーも一種の油ですから汚れは落としますが油分は残ります。
私はBB弾に触れる部分、特にホップパッキンのように摩擦力が必要な場合の洗浄は石鹸で手洗いするかエタノールで脱脂するようにしています。
SR96の場合はノンホップパッキンなので多少滑った方が良いという説もありますが、どちらが良いのかいずれ検証してみたいです。
汚れが残ってない事を虫メガネやスマホカメラの拡大機能で確認しながらパッキンの要、内側をよ〜く拭いておきます。
この段階でパッキンをよく観察して、内側の面に傷が無いか確認します。
特に前側パッキンの内側に大きな傷や摩耗がある場合、命中精度は下がり弾ポロの原因にもなります。
前後のパッキンは同じパーツなので、応急処置として前後を入れ替えて使用する事も出来ます。
後側パッキンなら相当大きな傷でない限り、初速が僅かに落ちる程度で済みます。
チューニングパートはここから〜パッキンにシールテープを巻く
ノーマルのまま組みたい方はこの先は不要です。洗浄したパッキンを向きに注意して元通りに組み立てて下さい。
ではここからノーマルのノンホップパッキン(チャンバーパッキン)にひと手間加えて行きます。
50mシューティングの頃から何かと愛用しているシールテープを使います。
シールテープをAmazonで見てみる↓
チャンバーパッキンの側面部の厚さは約2ミリです。
側面部と前面部の一部をカバーする為に幅3ミリに切ったシールテープをパッキンに巻き付けます。軽く引っ張りながら密着させるのがコツです。
シールテープの方が1ミリ太いので前面も一部カバーされます。組む時の向きに注意しましょう。黒い出っ張りがある面が前側(マズル側)です。
前後のパッキンにシールテープを巻きます。
選別した弾で敢えて直径の小さな弾を選びルーズバレル効果を増大させたい、という戦略を行う場合は弾ポロ対策を施します。
前側パッキンにシールテープと併せて幅2ミリに切ったセロテープを併用します。セロテープを少し引っ張りながら巻き付けるとセロテープの弾性によりパッキン内径が僅かに絞られます。後側パッキンには不要です。
組む時は前述の向きに注意して前側パッキンをインナーバレルに挿入します。
同様に後側パッキンをパッキンホルダーに入れます。
パッキンホルダーのインナーバレルとの接合面にもシールテープを巻きます。
パッキンホルダーをインナーバレルに嵌め込みます。シールテープを巻いたので少しキツいですが、真っ直ぐゆっくり押し込みます。
前後パッキンとパッキンホルダー接合部の合計3箇所にシールテープを巻きました。
これでパッキン部分の気密向上作業は終了です。
インナーバレルの清掃が完了している場合は、このまま組み立てます。
完了していない場合、インナーバレルの回で詳しく書きます。少々お待ち下さい。
まとめ
という訳で、今回はチャンバーパッキンの気密向上をやってみました。
事の発端は、VSR-10で50mシューティングをやっていた頃の考え方です。
- チャンバー内が最高気圧になるのは弾が動き始める瞬間だから、その時が一番エア漏れしやすい筈だ!
- 気圧が高ければ漏れた時の流出量も多い。いつ流出が止まるか?はゴムの弾力特性任せ・・・そんなの不安定この上ないのでは?
- それなら気密を激上げしてエア漏れを防いだ方が確実でしょ・・・?
と発想した事が始まりでした。その結果、50mシューティングでは自己ベストを更新出来ました。
その考え方をAPSライフルに転用しただけです。
50mシューティングとAPSでは求められる要素が違うので、これだけでAPSの点数が上がるとは思いませんが「よく中たる銃が欲しい」という欲求は同じです。
この後、インナーバレルとシリンダーも弄ります。
では今回はこの辺で(^^)/~~~
SR96命中精度向上計画シリーズを一気読みしたい方はこちらを参照して下さい↓
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