概要
今回はマルゼンCA870ストックをスピードシューティング用途に特化した仕様にチューニングします。
パワーアップではなくチューニング(調整)なので結果的に初速も大幅に落とします。
スピードシューティング専用銃として初速より優先したい事がある、という割り切った仕様です。
目標はアンリミテッド
スピードシューティングと言ってもショットガンではジャパンスティールチャレンジのロングガン部門には出場出来ません。
となると早撃ち系としてはJTSA主催のアンリミテッドのマニュアルローダー部門が最高峰の大会だと思います。
アンリミテッドの場合、最も遠いターゲットでも距離は5mです。初速が遅くなっても構わないと思ったのは5mだからです。
5mなら、仮に初速100m/sが半分の50m/sまで落ちたとしても着弾までの時間差は約0.05秒です。
実際には半分まで落ちる訳じゃないし、0.1秒以下の誤差なんて私のスピードなら全く関係ありません(TT)
初速より優先したい事とは?
1番の問題点は射手のウデ!ってのは置いといて、気になっていたのは・・・
この時、ドットが鉄板を捉えた瞬間です。
ひとつの鉄板を撃った後、次の鉄板を撃つ為に銃をスイングしながら同時にポンピングします。
ポンピング終了とほぼ同時にドットが鉄板を捉えるんですが、その瞬間にはフォアエンドを前進させた反動で銃が揺れています。
ただでさえ次弾装填がオートより遅いのに、この揺れのせいでトリガーを引くタイミングも遅くなっている気がします。
これを少しでも改善しよう、というのが今回の試みです。1番大きなタイムロスはヒューマンエラーという事です。
そう思ったキッカケがこれです↓
砕け散ったシリンダー
前回の記事↓
のラストでシアー周りが壊れた所まで書きました。
シアーCというパーツが折れていたので交換しました。¥200でした。
コスパショットガン復活!と喜んでガンガン撃ちまくっていたら弾が出なくなりました。
バラしてみるとシリンダーが砕け散っていました。
上が砕け散ったシリンダー。下が後日買ってきた新品の純正シリンダーです。シリンダーと言ってもプラなので安いです。¥1500だったかな。
想像ですが砕け散った原因は、少しでも速くポンピングしようとして、力を入れ過ぎたポンピングを繰り返したからじゃないかと思います。
そもそもシアー交換以前に何万発撃ったのか分からない程使い込んでいますから、普通に寿命だとしても全然不思議じゃないんですが。
ポンピングの際のフォアエンドの作動範囲は、引く時はシアが掛かる所まで後退すれば充分だし、押す時はアクションバーロック(二重装填防止機構)が掛かる所まで前進すれば充分です。
それを超えた過剰な前後動を強い力で繰り返し行ったので、ストッパーの役割を果たしていた内部パーツに負荷が掛かったんだろうと思います。
そこまで力を入れたつもりは無いんですが、「もっと速く」に気を取られて無意識の内にフルパワーになっていたんでしょうね。
スプリングを弱くしたらどうだろう?
そこで考えたのは・・・
強いスプリング(マルイの3発系より全然マシですが)を限界まで速く引こうとするから、そんなに力んじゃうんじゃないか?
そしてそんなに力んでるから、
標的を捉えた後も銃が揺れるんじゃないか?・・・と考えました。それが正解かどうかは分かりませんが、精密射撃なら力んでたら揺れますしね。
なら、スプリングが弱ければ良いって事かな??・・・試してみたくなりました。
という事で久しぶりの登場、バネ職人のおじさんです。
焼き入れってホントに焼くだけなんですね。今回もバネ屋のおじさんに面白い話を色々聞きました。別の機会に紹介します。
ノーマルスプリングの寸法は、線径1.2ミリ、外径10ミリ、全長175ミリ、巻き数62です。
ソフトスプリングは線径1.0ミリにしてみました。
VSR-10で言えばGスペとプロスナ位のスプリングレートの違いです。
スプリング全長の決め方
線径の異なるスプリングを入れる場合の全長の決め方としては、縮めたときにノーマルと同じ長さなら入るという考え方です。
ノーマルは線径1.2×巻き数62=74.4ミリなので線径1.0ミリなら74巻以内にすれば長過ぎないという事です。
初速を上げたい場合は他の要素も加わるので別の機会にじっくり話します。
通販でも線径1.0ミリのスプリングが売っています。
VSR-10(プロスナのみ)やAPSライフルのスプリングが余っている場合は線径1.0mm外径10mmなので流用できます。
ハードスプリングや細径・太径など各サイズのスプリングに関して以前、記事を書きました。スプリングを買う前に読んでみて下さい。
今回はポンピングを軽くする事が優先なのでソフトスプリングをノーマルと同じ長さに切断します。
切断する時は私はワイヤーカッターを使っています。ペンチやニッパーより切り口が綺麗になるので後でヤスリ掛けする際に楽だからです。
今回は耐水ペーパーでやりました。目の細かさによっては棒ヤスリでも出来ます。
塗装の下地のようにピッカピカにする必要はありません。丁寧にやり過ぎるとキリが無いので触ってみてツルツルしてれば適当で大丈夫です。
ほぼノーマルと同じ長さにしました。初期縮みでどの程度縮むか分かりませんが、長めに買ってあるのでダメならもう1個作ります。
初速計測
ソフトスプリングを組んで初速を測ります。弾はマルイの0.2gプラ弾です。
56.6m/s。10発中のおおよその平均値です。ノーマルだと85m/s以上出る銃なので30m/s位落ちました。
思ってたより落ちましたが、デトニクスと同じくらいですかね。5〜6m飛ばす程度なら問題ありません。5m先の着弾時間差は0.03秒くらいです。
肝心なポンピングの軽さは・・・
数値に表せなくてすみませんが、小指一本で最後まで引ける位になりました。普通に握って引くと、かなり軽く感じます。
シューティングレンジで学んだ事
これは銃の話ではなくちょっとしたエピソードです。
自宅ではちゃんとしたスピードシューティングのステージが組めないので、某有名レンジに撃ちに行った時の事です。
1人で黙々と撃っていると、ドアから誰か入って来ました。そこに現れたのは・・・
以前の記事↓
でも引用させて頂いた、自動銃相手に手動銃で総合4位‼︎のYさんでした。
実はYさんとは、この1週間前の練習会でもご一緒させて頂いたので面識はあったんですが、その時は電動ガンだったので、この日はじめて神速ポンピングを生で見せて頂きました。
私はロングガン仕様のスコーピオンで一緒にコースを回ったんですが、ポイントスタートの私が到底追いつけない凄まじいスピードでハンズアップで周回されていました。
貴重な機会なのでじっくり見させてもらいましたが私のポンピングとは全てが違いました。
前述したように私は下手な癖に速くポンプしようとして、フォアエンドが充分後退(前進)しているのに更に引いて(押して)しまいます。
Yさんはそれをしません。丁度良い所でピタリと止めていました。
ゆっくりでも良いのなら私も出来ますが、Yさんは自動銃を凌ぐようなスピードの中でこれをやります。
それ程の早業なのに銃本体は殆ど揺れていないように見えました。この日、改めて感銘を受けたのはこの「速いのに揺れない」という技術です。
Yさんの左手とレースガンのボルトがダブって見えたような気がしました。
ポンピング自体の速さと銃を揺らさない技術が相まって、セミオートのレースガン相手に総合4位に食い込むスピードを生み出しているのでしょう。
どれ程の練習を積めばこの域に届くのか想像が付きません。
私はとてもそんな域に達する自信がないので、好きな分野(貧乏素人チューニング)の力を借りて少しでも近づきたいと思い、今回のスプリング交換を思い付きました。
ソフトの性能の低さをハードでカバーしようというセコい考えです^^;
実はチューニングの方法についてはYさんからも貴重な情報を教えて頂いたんですが、Yさんが築き上げたノウハウの結晶ですので、私のブログでの公開は控える事にしました。
気さくな方なので直接聞けば快く教えてくれると思います。
女装エアガンシューターの星野優美子さんもインプレされていました。
まとめ
ここ最近、APSライフルやロングガン仕様スコーピオンに夢中だったので、久しぶりにCA870をイジって撃ちましたが、やっぱりいいですね。エアコキショットガン。
元々エンジョイ勢ですが、ポンピングが軽くなって気分も軽くなったような気がします。
自宅レンジで撃ってみましたが、タイムに反映されたか?というと残念ながら殆ど関係無さそうです(TT)
欠点は着弾が約0.03秒遅くなる事ですが、これが気になるくらい上手くなれたら、気密で初速を上げる方法を試してみます。
筋力が要らないので当たり前ですが沢山撃っても疲れにくくはなりました。
ガスショットガン並みと言うとオーバーですが、以前のポンピングの重さをまだ覚えているので、ついその感覚でフォアエンドを引くと、あまりの軽さにビックリします。
力む必要が無くなったのでシリンダーの耐久性も上がってくれれば、たくさん練習しても疲れず壊れない銃という意味では成功と言えるかもしれませんが、
ハードだけに頼って楽して速くなる(^^;;)というカスい目論見は崩れ去ったようです。
とりあえずこの仕様でPPS・RSC・アンリミ・リミテッドのどれかに出てみようと思います。
永田市郎さんの名言を実践してきます。
「マッチに出場する者は最下位を担う気持ちで出ろ」・・・だったかな。
優しい言葉ですね。マッチプレッシャー対策にもなってるし、ホントに最下位だったとしてもマッチは楽しいし。良い思い出になるよ、って事ですね。
銃、周辺用品、ランニングコストのトータルで考えると、これほど安価にスピードシューティングで遊べる銃も少ないと思います。
エアガン界の名銃です。CA870。
では今回はこの辺で(^^)/~~~
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