点を撃つ!APSライフル立射姿勢の探求。内的姿勢に大切な3つの筋肉とは。

APS:精密射撃

概要

今回はAPSライフルの立射姿勢の話です。マルゼンのAPSライフルSR-2を買って1年とちょっと経ちました。

立射を安定させようと激安ダサダサバットプレートやチークピースを作ってみたり、パームレストを作ろうとして挫折したりしながら、毎日撃ってました。

バットプレートとチークピースの記事はこちら↓

マルゼンAPSライフルSR-2の立射を安定させる激安チューニング。
APSとは念の為、APSを知らない方の為に簡単に説明します。説明不要な方は次の見出しまで飛ばして下さい。よくオリンピックとかで精密射撃ってやってますよね。こういうやつです。遠くに置いた小さな的に、どれだけ正確に当てられるか?という競技です。...

1年と言えど、毎日撃ってると流石にガタが出て来ます。そこでマルゼンにオーバーホールに出した所、なんと無料!その神対応に感動し、マルゼンファンになりました。その時の詳細はこちらをご覧下さい。↓

APSライフルでBB弾の精度比較。
概要今回はAPSライフルを使ってBB弾の命中精度を比較します。APSライフルとは・・・APS競技認定銃という専用ライフル(と言っても実質、普通のエアガン)を使って、10m先のターゲットを撃つ競技です。こんな感じのターゲットを狙います。真ん中...

バットプレートを外してみよう

勿論、マルゼンに持って行く時は、チークピースやバットプレートは外して行きました。メーカーに出すからノーマル状態が云々・・と言う以上に、恥ずかしいから(TT)

久しぶりに完全フルノーマル状態になったSR-2。マルゼンから帰って来たら、新品の頃よりも当たるようになった気がします。

いつも撃ってる5m先の1センチのサイコロに10連続的中したからです。半分まぐれですけどね(^^)

もしかして、1年毎日撃ってたから射手が上達したのかな?だったら嬉しいんですが。

弾速も速くなったような気がします。マルゼンで塗り直してもらったシリンダーグリスの影響でしょう。

ここでちょっと気になりました。マルゼンから帰って来てすぐに撃ったので、バットプレートやチークピースを外した状態です。

なのに良く当たる?!・・・バットプレートやチークピースが無い方が良いのか???

そこで試してみる事にしました。

  • バットプレートとチークピース両方装着
  • バットプレートのみ装着
  • チークピースのみ装着
  • 両方とも無し

この4パターンでそれぞれ100発程撃ってみました。集中力が保たないので休みながらですがヘトヘトになりました。

その結果・・・チークピースのみ装着の時が1番当たるようです。ただ、両方装着の時の方が安定感はあるので、疲労度が少ないです。実銃エアライフル競技のように、長時間撃ち続けるなら疲れ難さはより重要だと思います。

チークピースはスコープの取付高さに合わせて作ったので、頬付けが安定するのは当然ですが。

もしかして、バットプレートの形状や高さが合っていないのかな?・・・良く分からないので外してみよう。と言う訳で、

かなりノーマルに近い姿になりました。これで取り敢えず沢山撃ってみれば何か見えてくる・・・はず?

力を抜けば良いのか?

という訳で、毎日200発位撃っています。精密射撃での200発はけっこう疲れますね。200発必要な理由を後述します。

現時点で気付いた事は、バットプレートが無くなった事により、その時の体調やどの筋肉がどの位緊張しているか?がよりシビアに現れます。

試合なら不利になりますが、練習としては良いのでは?その間にもっとしっかりしたバットプレートの位置を決めれば良いし。

そこで立射のポジションをしっかりしようと思い、参考にするなら実銃の精密射撃かな、と思って探してみたら、こんな動画を見つけました。↓

【立射姿勢の作り方】初心者必見!!これであなたも立射の基礎が作れる!? How to make Standing Position
【チャンネル登録はこちら→】Welcome to ENNIS SHOOTER'S CHANNEL!!基本的な立射姿勢の作り方を徹底解説!伝えたいことを詰め込んだら長くなっちゃいました・・・(笑)このチャンネルはライフルショップ エニスによる日本初(?)標的射撃専門のYou...

この方は、実銃精密射撃系のショップ「ライフルショップエニス」の津場恭平さんという方です。

国体で2位入賞等、国内トップシューターの1人と言って良い方だと思います。

そんな人がここまで解り易く解説してくれているので、有り難く参考にさせてもらいました。

この動画で立ち方、構え方を学び、次の動画でトリガーの引き方を学びました。これです↓

【アプローチ 立射ver.】アプローチが重要らしいよ!! What is approach?
【チャンネル登録はこちら→】Welcome to ENNIS SHOOTER'S CHANNEL!!アプローチって意識したことありますか?案外注目されないアプローチですが、射撃ではとても大切です!!今回は立射のアプローチについてご紹介いたします!このチャンネルはライフルシ...

ただ、これだけじゃ、まだ足りないんです。形だけ真似しても、ガチガチに力んだままだと、スコープを覗いて「なかなか揺れが収まらないなぁ・・・」なんてやっている間に、筋肉がプルプル震え出しました。

やっぱり筋力で押さえ込もうとしても無理だ・・・だからって、ただ全身の力を抜くだけじゃ銃を支える事も立ってる事も出来ない!どうすりゃいいんだ、ドラえも〜〜ん(゚o゚;;)

という訳で今回のテーマ「内的姿勢」の動画がこちら↓

【内的姿勢】大切だけど難しい・・・そんな内的姿勢をシンプルかつ分かりやすく解説!!
【チャンネル登録はこちら→】Welcome to ENNIS SHOOTER'S CHANNEL!!内的姿勢って聞いたことありますか?射撃の姿勢を作る上でかなり重要な要素ですが、説明するのも理解するのも難しいくせ者・・・。今回はそんな内的姿勢についてなるべくシンプルに分か...

一言で言えば、外見からは分からない身体の内側の状態がどうなっているか?が内的姿勢です。

動画のラストに、軸を基準にする、と仰られていました。私の解釈では、津場さんは自分に合った内的姿勢がある程度出来上がってるけど、それをそのまま、他人に当て嵌めても無意味だと。

体型も違えば、筋肉や関節の柔軟性も、何もかも違う人に「ここの力を抜いて、こっちは力入れて」なんてやっても、その人のバランスは完成せず、銃の揺れは止まらない!という事かな?と。

ただ、私なりの傾向は少し掴めて来ました。

毎日200発撃つ理由

先程、毎日200発撃つのは理由がある、と書きました。集中してゆっくり100発位撃った辺りから、何故か、銃の揺れ方が変わるからです。

変わった後は、銃がやたらと大きく揺れてみたり、突然、ピタッと綺麗に止まってみたり!?

ピタッと止まった時は、まるで委託射撃のように、1センチサイコロに必中します。

何故、ピタッと止まるのか?多分、偶然理想的な内的姿勢になっているんだと思いますが、これを意図的に作り出せるようにならないと「自宅練習の時だけ上手い人」になってしまいます。

銃の揺れ幅は、どのくらいまで許容されるのか?

まずはこれを見て下さい。

スコープの倍率を12倍にして、5m先に置いた1センチのサイコロを見ると、こんな感じに見えます。この写真を撮るのにかなり苦労したんですがそれは置いといて。

上の写真を拡大するとこんな感じです。4個のミルドットが1センチサイコロの範囲内に収まっています。

この状態をキープ出来れば、

このような1発0.5円の弾でも5mなら、ほぼ必ず1センチサイコロに当たります。

ただ、立射で4個のミルドットをサイコロ範囲内にキープするのはかなり難しく、十字線の交点だけならサイコロ範囲内、と言う状態だと

例えばこのような1発2円以上の弾じゃないと当たりません。

と言う事は、据銃の最中に銃口が揺れても良い許容範囲の幅は、2円の弾なら2ミリ、0.5円の弾なら1ミリです。(かなり大雑把な計算ですみません)

となると、銃の長さや手で保持する位置関係を考慮すると、手が揺れて良い許容範囲の幅は、大雑把に考えて更にこの半分です。

ただ、クレー射撃ネタでお話したように、銃身の揺れ方が速い場合は、弾道もその方向にスライドします。クレー射撃ネタの記事はこちら↓

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概要今回はショットガン(エアソフトガン)を集めてみました。ただし、市販されている全ての製品を網羅してはいません。レミントンM870に代表されるようなオーソドックスなスタイルのショットガンを中心にしています。単なる私の趣味です。このカタログは...

それも併せて考えると対応策は、ゆっくり揺れるようにするか、揺れ幅を減らすか、どちらかです。

でも、わざと揺らしてる訳じゃないのに、ゆっくりにするなんて不可能です。なら、揺れ幅を減らすしかありません。

理想的にはピタッと止められれば良いんですが、それが出来るならオリンピックを目指します。

しかも、インナーバレルが長くてピストンがゆっくり加速するAPSライフル(精度向上の為の構造)は、他のエアガンより弾が銃身内を加速する時間が長いんです。

その長い時間、人間はピタッと止まっていなければならない!というのがAPSライフルの難しさです。

実際の時間は1/100秒以下ですが「無意識下の揺れまで止める」と言う意味では、かなりの長時間です。

私の内的姿勢の考え。

筋力で銃を支えてはいけない!・・とは言え、立っていられるのも銃を床に落とさずに済んでいるのも筋力のお陰です。

そこで、内的姿勢って何?について私なりにこう解釈しました。

不必要な筋緊張をどこまで減らせるか?

不必要な筋緊張・・つまり、ボーンサポート(骨格で銃を支える事)に頼れる所は可能な限りボーンサポートに任せて、ボーンサポートが不可能な部分だけに最小限の筋力を使う、という事です。

なら、どこまでボーンサポートを使えるのか?

ボーンは英語で骨です。もちろん、骨単体には姿勢を維持する力はありません。私が着目したのは靭帯です。

靱帯は骨と骨を繋ぐロープのような物です。筋肉のように伸び縮みはしません。(厳密には僅かにするらしいですが)

ボーンサポートについては私の愛読書?「ぐうたららいふるまん」さんが詳しく解説して下さっています。

403 Forbidden

また、こちらの「京都大学ライフル射撃部」さんも詳しく解説されています。

http://www.rifle.kusu.kyoto-u.ac.jp/old/members/riflekyohon2011.pdf

両方読んでみると表現の仕方が違う部分も多々あり、両方読むと理解が深まると思います。両方読んだ私が下手糞なのは単なる練習不足です^^;

現時点で私が感じた内的姿勢のコツは以下の点です。左利きの方は左右を逆にして読んで下さい。

  • 左肘の安定方法
  • 右肘の位置
  • 足の力の抜き方

左肘の安定方法

まず左肘を安定させる方法についてです。ライフル精密射撃の最重要ポイントのひとつだと思います。

銃の重さは左前腕を通して、左肘から左骨盤、左足に逃がします。これをどれだけ筋力を使わずに出来るか?が鍵です。

理想的には骨盤の頂点(腸骨稜)に左肘が届けば話は早いんですが、私は典型的な男性体型の為、到底不可能です。

そこで京都大学ライフル射撃部さんが解説されていたように、左上腕を体幹に密着させる方法を取っています。

その際、射撃コートなどと言う高価な物は持っていないので、次のような苦肉の策で誤魔化しています。

  • 銃口を上に向けて据銃して
  • 左肘を体幹に密着させる
  • そのまま脱力すると銃の重さで肘が体幹に押し付けられる

この方法が正しいのか?は分かりません。もっと良い方法が見つかれば変更すると思います。

右肘の位置

右肘は力を抜いて自然に止まった位置、と言われます。

肩(正確には上腕部)に当たるバットプレートがこんな形なら問題ないんですが、

今のこの状態だと、多少強めに肩に押し付け無いと、脱力した時にずり落ちて来ます。

その対策の為にバットプレートを付けたんですが、まだ初心者の私にとって現段階でポジションをガッチリ固定してしまうのもどうなの?と思ってバットプレートを外しました。

バットプレートを付けていた時も薄々感じてたんですが、鎖骨下窩(鎖骨の下の窪み)にストックの後下端部を置く位のポジションにすると、立射に丁度良い高さになるので、

次回、しっかりしたバットプレートを作る時はその高さで作ろうかな、と計画中です。

この時(据銃姿勢)バットプレート無しでも右肘の位置で銃の左右への傾きをコントロール出来るようです。

またバットプレートが無い場合、右肘を体幹に密着させる事により、大胸筋が盛り上がって鎖骨下窩が浅くなる事と、体幹に密着させた肘の安定性により、ストック後端部の固定力が上がるような気がしました。

こんな形のバットプレートが装着出来れば、バットプレートの下端の突起を脇の下に挟めるかも知れません。それが出来れば、安定性は大きく向上するような気がします。

追記:後日、銃を引き付けて(射線に対し後方に)撃ったら安定感が向上し、ある程度ちゃんと狙ってサイコロ10連続的中に成功しました。引き付けるという事は、銃と右肩の密着度は増し、左前腕がより垂直に近づき、銃の重心が体幹の重心に近づくという事です。暫く、このポジションで撃ってみます。それでよく当たるようなら、バットプレート作製に入ります。

足の力の抜き方

基本に忠実に左足に荷重すれば、左腸骨が上がり、大腿筋膜張筋と中臀筋の緊張により左股関節がロックされ、理想的な前足荷重の姿勢が出来上がります。

ただ・・・この姿勢、辛い!^^;

分かってます。練習不足なだけです。身体が慣れてないんでしょう。それにジジイなので身体も硬いですし。

で、ちょっと疑問に思ったんですよ。こうまでして左骨盤を上げるのは、左肘を届かせる為?それだけ?

元々、骨盤に肘が届かない男性体型な人には無意味なんじゃないか?・・・という言い訳じみたこじつけも考えました。

もし、左骨盤を上げなくても良いなら、真っ直ぐに立って良いなら、足への荷重配分は左右5:5。爪先と踵の荷重配分を注意するだけで済みます。

5:5で良いなら、わざわざ股関節をロックさせなくても、身体の正中線を真っ直ぐにして左右均等に立つだけで良いのでかなり楽です。実際、これで撃ってもそこそこ当たりますし。

と、思ったのも束の間。この後、すぐに答えが出ました。

ライフルショップエニスに行く

ちょっと別の用事があり(知り合いにエアライフルのカタログの入手を頼まれた)ライフルショップエニスに行って来ました。

店内に入ると対応してくれたのは、なんと津場恭平さん!!

YouTubeで繰り返し何度も見た人が、目の前に居るとちょっと緊張しましたが、津場さんは私のようなド素人の質問にも、とても丁寧に対応してくれました。

そこで、前項で疑問だった「左肘が骨盤に届かなくても左骨盤を上げる姿勢は意味があるのか?」について思い切って質問させて頂きました。すると、

「無理な姿勢で筋肉を緊張させてまで肘と骨盤を付ける必要はありませんが、左骨盤を上げる事により、銃の重さが左前腕と左足を通して同軸線上に荷重されるので、慣れればその方が安定すると思いますよ(^^)」

という回答を頂きました。なるほど、案の定、私の練習不足だったみたいですね。「慣れればその方が安定する」という領域まで辿り着いていなかったんでしょう。

お陰様で、ずっとモヤモヤしていた疑問に1つの答えと目標が出来ました。津場さん、ありがとうございました。

自然狙点を撃つ

自然狙点という言葉が動画中にも出て来ましたね。据銃してリラックスした状態(完全脱力とはちょっと違う)で、自然に銃が向く方向って事です。

理想的には自然狙点がターゲットにピッタリ合えば、1番良く当たる筈・・・です。

その為に、銃が下を向いていたら右足を引いたり、右を向いてたら腰椎の捻転角度を確認したり(それだけじゃないですが)、色々工夫する訳です。

据銃してスコープでターゲットを捉えた時、運良く銃がピタッと止まってくれれば良いんですが、そんな事は100回に1回位しかありません。

そこで、津場さんが動画で仰っていたように一旦視線を逸らすか、目を閉じて、身体の力を抜きます。

そしてもう一度、スコープを覗きます。ここで見えた所が自然狙点です。

ここで重要ポイントがひとつあります。身体の力を抜く、と言いましたが、完全に脱力するのではありません。

立射姿勢を維持する為の最低限の筋力は必要です。なので、足の踏ん張り加減は変えずに、肩の力を抜きます。

その状態をキープしてもう一度ターゲットを見ます。このキープが重要ポイントです。

立射に重要な3つの筋肉

私が色々試した結果、特に重要なのは下半身をしっかり支える事です。支点(足と床の接地点)に近い下半身がグラグラしたら、銃の揺れは大きくなるからです。

現時点で私が重要だと思う筋肉は、ヒラメ筋、内側広筋、大腿筋膜張筋です。

ヒラメ筋:ふくらはぎの深層部にあり、足関節を底屈(つま先を踏ん張る)させます。赤筋なので疲労し難く、長時間スポーツでは要になります。

内側広筋:膝の皿の上内側にあり、膝を完全伸展させます。白筋ですが、立射では最大筋力を出す事は無いので、少し力を入れた状態を維持する事がポイントになると思います。

大腿筋膜張筋:股関節の前外側にあり、腸脛靱帯と共に股関節や膝関節を安定させ、ガニ股にならないようにします。

ヒラメ筋は足関節を適度に底屈させて、射線に対しては左右、身体の正中面に対しては前後方向を安定させます。

内側広筋は膝関節を完全伸展位にキープして狙点の上下方向のグラグラを低減。

大腿筋膜張筋は膝を伸ばして股関節を軽度内旋位(つまりガニ股の逆)にロックする為に重要です。

また、この筋肉の柔軟性によって、どのくらい左骨盤を上げれば(左股関節を内転すれば)股関節がロックされるか?が左右されます。

更に、この筋肉をどの位伸展させるか(股関節を内旋させるか)によって、極力、内側広筋を緊張させずに膝関節を完全伸展位に維持する事が可能になります。

この為に身体の硬い人は、多少のオープンスタンスやつま先を少し開いたスタンスの方がリラックスし易くなり安定します。

ここで難しいのが、完全脱力は出来ないくせに、力を入れ過ぎても筋痙攣が起きてプルプルしちゃう事です。

ただでさえ、右に比べると不器用な左足なのに、どの筋肉をどの程度緊張させるか?を同時にコントロールしなければならない、これが難しいです。

また、私の癖で右の踵が浮き気味になる事があります。これだと、本来なら左右のつま先(母趾球)と左右の踵の4点支持にすれば安定するのに、3点支持になってしまいます。

硬い物なら3点支持でも問題ありませんが、柔らかい人間の身体ですから、3点より4点の方が安定します。

その為に、つま先よりも踵に掛かる荷重を増やします。つま先は、足底靱帯で支えられた縦アーチという構造によって、歩行時の足への衝撃を吸収するクッションの役目を果たしています。

逆に言えば、そのクッションのせいでグニャグニャしちゃうんです。立射姿勢では、つま先はなるべくバランスの補正の為に少なめに荷重し、踵に少し多めに荷重した方が安定すると思います。

ここで、自然狙点に話を戻します。

私の場合、自然狙点がターゲットより右下に行く傾向があります。という事は・・・普段、ターゲットを狙う時、左上に持ち上げる筋力を使っているという事です。

これを筋力で無理矢理に補正するのではなく、如何にリラックス状態を保ちつつ補正出来るか?が今の課題です。

その為に最近試しているのが、銃を身体に近づける事です。身体に密着させるのは既にやっているので厳密に言えば、重心に近づける、と言った方が正確ですね。

津場さんが動画で仰っていた「胸の前に銃が入るスペースを作る」ってやつです。

はじめて聞いた時は、よく分かりませんでしたが、実際にやってみると、銃との一体感が増し、銃のコントロールも楽になり、良い事づくめです。

ただ、この姿勢に慣れるまでは力が入っちゃうので、一旦この姿勢を作ってから目を閉じて脱力する方法がお勧めです。

まとめ

ここまで色々試してみて感じた事は、教科書通りの立射姿勢を筋力を使って形だけ真似する所までは比較的簡単、少し練習すれば出来ると思います。

その姿勢を維持したままリラックス出来るか?・・・これが難しい、と思いました。

その結果、外的姿勢を変更する事もありますが、その変更はよく考えて行わないと「初心者自己流アリ地獄」に陥るリスクを孕んでいます。

ただ、筋肉の柔軟性に関わる変更はフィジカルトレーニングでカバー出来ても、体型に関わる変更はどうしても必要です。

それが内的姿勢を駆使して目指す境地なんだろうと思います。難しいけど楽しいです。簡単に出来る事じゃ達成感が無いですしね。

点のような小さなターゲットに見事に的中した時の快感を思えば、退屈な据銃練習もドキドキしますね。

では今回はこの辺で。

後日追記

この記事を書いて暫く後、練習方法を変えました。

リラックスのコツを身体が覚えたのか、練習開始の1発目から1センチサイコロに当たる日が増えて来たんです。

それなら・・・という事で、今試している方法は、値段の高い弾を使い、1発1発に時間を掛けて、据銃後、銃の揺れが小さくなるまで待ってから撃つ!という方法です。

1発撃つのに2〜3分掛かるので10発しか撃ちません。その代わり、集中力を限界まで使い、全弾的中が当然という位に自分の気持ちを追い込みます。

すると本当に10発10中する日が増えて来ました。

撃ち方は意図的に変えてはいません。練習中、津場さんの立射の動画をBGM代わりに流しているだけです。

因みに、弾数を撃つ練習方法がダメだと言うつもりはありません。たくさん撃った方が楽しいし、楽しさは継続力になるからです。

それに1発撃つのに2〜3分掛かる撃ち方では、APSルールでは使えませんから、リラックス状態を維持したまま、2分間で5発撃てるようになる事が今の目標です。

ただし、無理に早く撃つような事はしません。毎日やっている内に段々早くなって行く、と言うのが理想です。

マック堺さんが動画内でよく話されている「最初の内ははゆっくりで良いから正確に。スピードは後からついて来る」と言うのと同じです。

話は変わりますが、実射練習を始める前に、片脚立ち練習をすると身体の安定感が激変します。

実射時と同じように左骨盤を上げて、右足底を左足背に載せて、左片脚で立ったままテレビで30分番組を観ます。

両手は何も持たず楽にしてて大丈夫です。これがウォーミングアップになります。軸足の左が重要ですが、余裕があれば右もやります。

また、新たな気付きがあれば追記するか、次の記事を書きます。

追追記:左手の位置について

試しに左手で銃を保持する位置をトリガーガードの前からトリガーガードの下に移動してみました。

ちょっと慣れは必要ですが、結果として左手の位置が下がった分、左肘と体幹の密着度が上がり、良く当たるようになりました。

ここの密着度はボーンサポートの要ですからね。影響も大きいんだと思います。

追追追記:アプローチ時の脱力について

まず、足はウォーミングアップの片脚立ちで覚えた力の入れ加減を覚えておき、それと同じ程度に軸足に力を入れます。

そのままスコープでターゲットを見ると、小刻みに揺れている事が多いので、目線だけをターゲットから外し、菱形筋(肩甲骨の間の筋肉)を脱力します。

ここでのポイントは、足の筋緊張加減は変えず、菱形筋だけを脱力する事です。

左右の足は全てを支える2本の棒です。棒の長さが変わらない事が重要です。前述した内側広筋と大腿筋膜張筋の仕事です。上手く行かない時は、閉眼すると感覚が鋭敏になります。

これが上手く行くと、レティクルの揺れ方が遅くなり、撃発のタイミングが分かりやすくなるような気がします。

これに慣れて来た辺りから、2分で3〜4発位撃てるようになって来ました。もう一息で2分で5発です。

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お風呂上がりに精密射撃。幸せです。

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コメント

  1. h より:

    はじめまして。通りすがりの実銃経験者です。
    ぐうたららいふるまん(香西さん)、京大(冨本さん)、エニス(津場さん)を参考にされているようなので。

    左腰を標的側に突き出すのは、左肘を乗せるスペースを作るためです。無理に突き出して左腰の高さを上げる意図はあまりありません(結果的に上がりますが、むしろ突き出しすぎないことに注意します)

    銃を持たない状態で左肘を下げて左腰に付くようであれば、その体勢で銃を持つと銃口が下に向くと思うので、銃口が標的の高さを向くまで、銃床の厚み(と言ったら良いのでしょうか?)を厚くすれば、ボーンサポートした状態で銃が標的に向きます。
    エアライフル等で、肘が届かない人は左脇腹の摩擦で…というのは、競技ルールで銃床の厚みに制限があるからです(APSにもあるようでしたらスミマセン)

    パームレストの使用例 1:12頃~
    https://youtu.be/eewbF0-gfDM

    左脚~左腕で構築した「骨の台」に銃を載せて、完全に脱力して「これ以上どうやっても銃口が下がらない」状態を作り、その状態で銃口が標的を向くように銃をセッティングして撃つのが、エアライフル等の立射種目の(現代における)基本的な考え方です。

    なお、エアライフルのバットプレートは、ゴムの摩擦(射撃ジャケット側にもゴムが貼ってある)だけで止めていて、脇腹で挟むことはしません。むしろ挟まないように注意します。銃の重心が銃口側にあると、摩擦だけでは止まらず脇で挟んで力が入ってしまうので、銃の重心は左手に乗せる位置(の数センチ銃口寄り)辺りにセットします。

    射撃コートを着ない場合、スモールボアライフルのように、バットプレートに「フック」を付けて、これを右脇の下に当てた方が安定しそうです。このフックも、脇腹に挟むことはしません(右腕を脱力すると自然に下がって挟む形になりますが、意識的に挟まないという意味です)

    あくまで、実銃(エアライフル/スモールボアライフル)の立射の理論ですので、ご参考まで。

    • odaryuji より:

      コメントありがとうございます。

      「左腰を標的側に突き出す」については、仰る通り、無理に突き出しても余計な力が入ってしまい、逆に揺れの原因になる事が最近分かって来ました。

      「銃床の厚みを厚くすれば、ボーンサポートした状態で銃が標的に向きます」については、最近買ったマルゼンSR96-11Sという銃の銃床が元々厚い事、加えてチークピースとサイトの位置を高くする事で、結果的に左手と骨盤の距離が短くなり、更に厚めのベルトを着用する事で、左肘とベルトが触れる事が増えて来ました。

      ただし、触れているだけで、「これ以上どうやっても銃口が下がらない」状態にはなっていません。

      触れているだけですが、それでも以前よりは銃が止まっているのを実感できます。

      パームレスト使用例の動画、楽しそうですね。参考になったのは勿論ですが、アンティークな銃で精密射撃を楽しんでいる価値観に憧れました。

      いま使っている銃の重心はちょうど左手の真上辺りです。左手に載せるだけで安定しています。もう少し銃口側の方が良いのかな?とも思いましたが、現状あまり不満が無いので、そのまま使っています。

      バットプレートの「フック」については以前から気になっていました。一度試してみたいと思いながら、新品はそれなりの値段なので躊躇しています。ただ、コートに比べれば安いですし、もう一度検討してみても良さそうですね。

      色々教えていただきありがとうございました。大変参考になりました。

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