概要
前回までのvol.7までで、ハイキャパを圧縮空気で撃つ為の基本的なパーツは一通り揃い、1ヶ月使って問題ない事も確認しました。
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あれから約1年。
APSライフルみたいに毎日撃っていた訳じゃありませんが、APSの合間に気分転換に撃ったり、
ガスブロの反動やスピードシューティングを楽しみたくなった時に撃ったりして、大体週に3〜4回位のペースで遊んでいました。
その間、大した不具合も無く、約1年が経過しました。
圧縮空気仕様のシステム自体には問題無く、耐久性も充分ある事が分かったので、今回はハイキャパ以外のガスブロも圧縮空気仕様にして、
更にレギュレターの調整弁を最大まで開けたらどうなるのか?を試してみました。
レギュレターとは、写真中央やや上の銀色のパーツです。エアボンベから銃に送る空気の圧力を調整する装置です。
スピードシューティングのレギュレーション上、必要な物
現状のハイキャパはJSC(ジャパン・スティール・チャレンジ)のレギュレーションに則ってリリースバルブが付いています。
※リリースバルブとは:高い圧力が掛かった時に安全弁が開いて空気を外に逃す装置。(後日追記:フリーダムアートのリリースバルブは2023現在、販売終了のようです)
※JSC(ジャパンスティールチャレンジ)とは:マック堺さんのようなトップレベルのスピードシューターが全国から集う、日本の早撃ち界の頂点の大会。
JSCのレギュレーションを読んでみると、
「外部ソース使用者は、ガンもしくはマガジンにリリースバルブの装着を義務付ける。
A.8.3.1 リリースバルブは外部から目視できる位置に、容易に切り離せない状態で装着すること。ガ ンやマガジンに内蔵することは不可。」
と書いてあります。
また、アンリミテッドでは、
※アンリミテッドとは:JSCよりも多種多様な銃で参加出来、競技ルールもJSCに比べれば少しだけ緩くした早撃ち大会。
「銃本体、マガジンとレギュレーターとの接続が容易に脱着できないこと。可変レギュレーターの場合は最高圧での出力が、上記『パワー規定』の条件をクリアすること。」
と書いてありました。
今回、レギュレター全開を試す理由は初速の確認です。最高圧で測定すると書いてありますからね。最高圧で測定する計測方法は、外部ソースOKのサバゲーフィールドでも同様です。
そして、レギュレーション的には、JSC・アンリミ、どちらにせよ「マガジンとレギュレターが容易に取り外せない」という事です。
が、これでは、家で色んなガスブロをバカスカ撃って遊びたいお座敷シューターには不便です。
エアボンベ本体とレギュレターやホース類は使い回すんだから、簡単に脱着出来て欲しいんですよね。
いつかJSCとか出る機会があるかな?・・・と思って取り付けたリリースバルブですが、私の今のウデでは、JSCはおろか、アンリミでもかなり下の方です(TT)
ちょっと先の心配をし過ぎましたね。とりあえず、スピードシューティングをやりたくなったらPPSに出る事にします。PPSはスピードシューティングの入門用とも言える大会です。
PPSの詳細はこちら
PPSなら「容易に取り外せてはならない」という規定は無さそうです。
PPSは入門用と書きましたが、レベルが低いという意味ではありません。
レギュレーションが幅広く、ルールが初心者を育てる事を重視している、と言うだけで、トップクラスの人達はタイムを見るだけでもかなり上手い事が分かります^^;
競技ルールは厳密にすればする程、トップを争う層にとっては公平性の維持に繋がりますが、あまり厳密にし過ぎると初心者にとってはハードルが上がる、という事にもなりかねません。
PPSは、ミスったら失格にする前に指導してくれる、という所が初心者でも安心して参加出来る所以です(^^)
再利用する物
という訳で、メインは家で撃ちまくって遊ぶ事、たまにシューティングやサバゲー、というスタンスの私は、家にあるガスブロを全て外部ソース仕様にする事にしました。
まずは、マガジンとホースをワンタッチで脱着できるように接続部分のパーツを変更します。
写真右側のエアボンベ(ウッドランドのフロンガス缶の再利用)や、吐出圧力調整の為のレギュレター、そこから伸びる黒い6mmホースをこのまま残して、
黒いホースの途中に写っているフリーダムアートの金色のリリースバルブ(JSCに出ないなら不要)と、4/6mm変換プラグ、そこから伸びる透明色の4mmホースと、4mmホースをマガジンに直付けにする為のプラグ、を取り外します。
4mmホースは6ミリより軽いです。トップを狙えるレベルの人が「もう少しタイムを削りたい」なんて時には有用だと思います。
が、私のレベルでは関係ない話です(TT)
また、サバゲーフィールドでも外部ソース使用可能な所が増えて来ました。
サバゲーで使うとなると、ホースが木の枝等に引っ掛かる事もあると思います。
4mmより6mmの方が強度があるので、サバゲー用途としては6mmの方が向いていると思います。
6mmの方がフルオートも安定するし、スピードシューティング程、銃を速く動かす必要はありませんからね。
という訳で、マガジンと接続するホースも6mmになるので6ミリホースの先端に、
プロテックのマイクロカプラーソケットを取り付けます。これは最初にプロテックのBull-01の基本セット6mm仕様を買った時に同梱されていた物で、今回新しく買った訳ではありません。
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ホースへの取り付け時は工具は不要、手で嵌め込むだけです。付けるのも外すのも非常に簡単です。
エアボンベ・レギュレター・ホース側はこれだけです。
マガジンに繋いでいないこの状態でボンベに空気を10気圧充填しても、マイクロカプラーソケットに弁が付いているので全く空気が漏れません。
エアボンベに空気を入れる為の空気入れに関してはこちらに詳しく解説してあります。
あとはマガジン側です。
今回買った物
今回、新しく買ったのは
プロテックのコネクティブプラグです。プロテックのBull-01の基本セットには同梱されていません。
マガジン底部の注入バルブ(フロンガスを注入する所)を外して、これを取り付けます。
私の銃はマルイとマルゼンなので、タイプ3という物が適合します。
これを銃の数、つまり3個買いました。
因みにタイプ1やタイプ2というのもあります。
タイプ1の対応はネジ径( M5.0 x P0.8 ) ・タナカワークス ・ウエスタンアームズ(M11除く) ・新日本模型 ・WE
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タイプ2の対応はネジ径( M5.0 x P0.5 ) ・マルシン ・デジコン ・KSC ・旧MGC ※マルシン製の商品で、一部(Type3R)になる場合がありますのでご注意ください
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タイプ3の対応はネジ径( M4.5 x P0.5 ) ・東京マルイ ・マルゼン ・国際 ・ウエスタンアームズ(M11のみ) ・タナカワークス固定スライド ・SIIS ・タニオコバ(KJ)/M4
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取り付け作業
ノーマルのガス注入バルブを外す際に、バルブレンチが必要です。大きめのマイナスドライバーでも可能ですが、工具代をケチると後でその数倍のパーツ代が掛かる事があります。
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フリーダムアートのプラグの場合はラジオペンチや小型プライヤー等で回せます。
4mmホースと4mmホース用の直付プラグを外して
何も無くなったガス注入口に今回買ったプロテックのコネクティブプラグを取り付けます。ゴムパッキン部分にシリコンオイルを少量付けます。
取り付ける時は、手でギュッと締め付けてからラジオペンチで約1/8回転、増し締めしました。
これだけなので元の仕様に戻すのも簡単です。慣れれば1分も掛からないと思います。
マガジンとエアホースを接続する時は、カチッと言うまで押し込みます。圧縮空気がマガジン内に流入し、スーッという音がします。
外す時は銀色の輪っかのようなパーツを持って引っ張ると、外れると同時にマガジン内の圧縮空気が抜けてブシュッという音がしますが、エアタンク内の圧縮空気は全く抜けません。
このマイクロカプラーソケットってパーツ、小さなパーツなのに凄い気密ですね!
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後日談:マイクロカプラーソケットの気密確認の為、エアボンベに10気圧充填して3日ほど放置してみましたが、3日程度であれば全く空気は抜けないようです。
今回試した銃は3丁
私が現在持っているガスブロは、マルイハイキャパ5.1・マルイデトニクス・マルゼンVz.61スコーピオンの3丁です。
ハイキャパには集光サイトが付いていますが、変更点なんてその程度で3丁ともノーマルです。修理は何度もやってますが(^^)
この3丁のマガジンにプロテックのコネクティブプラグを取り付けました。
ハイキャパで初速測定
今までは、スピードシューティングでのタイム優先ならリコイルは弱い方が良いので、レギュレターからの吐出圧力を少し弱めにして、
冬にフロンガスで初弾を撃った時の初速と同程度に設定していましたが、
今回はレギュレターの調整弁は全開です。
まずはハイキャパです。
この個体の場合、フロンガスのリキッドチャージで撃つと真夏は80m/s前後、マガジン温度が冷えてくると70〜75くらい、冬のインドアでマガジンの温め方が少ないと60前後まで落ちる事もあります。
圧縮空気でレギュレター全開で撃つのは今回が初めてです。
とりあえず10発撃ってみます。弾はマルイの0.2gプラ弾です。
第一印象は「リコイル強っ!」
10発の最高値は85.33m/s。10発の最低値は84.01でした。さすが空気という感じの初速安定性です。
初速自体は真夏のフロンガスより少し高いくらいですね。ジュールは0.728j。ガスと違い、気温が変わってもこの数値が大きく変わる事は無いでしょう。
レギュレター全開だとリコイルも速くて強いですね。1発目はちょっとびっくりしました。
おそらく、スライドの寿命は短くなると思いますが、ハイキャパ5.1とDORのスライドはゴールドマッチと違って安いので(^^)
リコイルの速さと強さは、ガスブロジャンキーの知人宅で撃たせてもらったCO2ガスブロと比較しても遜色無いような気がしました。
デトニクスで初速測定
次はマルイのデトニクスです。
このデトニクスは、屋外で使用した事がありません。
今までフロンガスで撃っていましたが、マガジンを手で温めたり、暖房を効かせたりしていたので、冬にどうなるか?なんて試した事もありません。
ただでさえ冬に弱いガバ系シングルカラムなのに、その中でも最小クラスのマガジンですからね。
フロンガスで撃った時の初速は、夏は大体55〜60位、冬はマガジンを手で温めて、大体50〜55位です。
バレルが短いのでフルサイズのガバより初速は低めですが、スライドも短いのでブローバックは以外と速く、掌の中で踊るような小気味良いリコイルが楽しめる銃です。
デトニクスは圧縮空気で撃つ事自体が初めてです。
ハイキャパ同様、10発撃ちました。最高値は67.38。最低値は65.65でした。
これもハイキャパ同様にフロンガスより初速が高くなり安定しました。また、元々速いリコイルが更に速く、そして強くなりました。
俊敏なリコイルという印象です。ここまで速いリコイルはCO2も含め、私が経験したガスブロの中では一位です。
単純なパワーや迫力はハイキャパの方が上ですが、面白さではデトニクスの方が上かも・・・
マルゼンスコーピオンで初速測定
スコーピオンではセミオートで初速を測ってからフルオートでの発射サイクルも計測します。
この個体はホップを強めると初速が上がるという、流速チューンみたいな現象が起きる銃なので、前回の測定時同様、ホップは最強にしました。
これも同様に10発撃ち、初速の最高値は78.53。最低値は77.51でした。
フルオートでの発射サイクルは秒間15.4発でした。最後の弾が79.22を出したようです。
ここでちょっと気になった事があります。
この銃を中古で買った時の記事(前回測定時)の際、
暖かい時期(室内気温27度)とは言え、フロンガスを使用して、ホップ最強時に初速80以上出ていました。
なんで下がったのかな?・・・という疑問。
それなら少しでも前回計測時との条件を合わせる為にフロンガスでも計測してみましょう。
とはいえ気温が10度なので、マガジンを体幹部でしっかり温めました。手で握ると「あったけぇ〜」と感じるくらい。
ハイキャパなら80m/s位出る温度です。真夏と同じ位のマガジン温度になったと思います。
暖房やストーブ等を使うと微調整が難しいので、心臓に近い体表面(腋下等)で温めると微調整しやすいと思います。
フロンでの最高値は78.5。これは初弾です。
フロンなのでだんだん落ちてきて10発目は74.17。
マガジンに残った20発を使って測ったフルオートの連射速度は秒間15発。
連射サイクルは空気とあまり変わりませんが、20発目の初速は56.8まで落ちました。
おそらく、空気とフロンの初速が殆ど変わらなかった78m/s前後が、この時点でのこの個体の実力だと思います。
元々が中古で買った銃ですからね。古くなったホップパッキンが寒さで硬くなっていたのかも知れません。断定は出来ませんが。本格的に実戦投入するまでにオーバーホールする事にします。
初速はともかく、他の銃と同じようにフロンより空気の方がリコイルが強いですね。
感覚的な話ですが、後退したボルトが最後端部までしっかり押し切られているような・・・気がしました。
考察
スコーピオンは銃本体が本調子じゃなかったような気もしますが、まぁそれなりには撃てました。
計測中、レギュレターは全開固定です。
調子の良い銃では初速は上がりましたが、規制値限界の0.989jは勿論、一部のシューティングマッチやインドアサバゲーフィールドで見かける0.8jもクリアする事が出来ました。
3丁共に共通していたのは、空気の方がリコイルも強かった事です。
調子の良い銃は勿論、スコーピオンも、です。
夏のフロンの気圧よりも気圧自体が高かったんだと思いますが、初速が下がったスコーピオンでリコイルが強くなったり、ハイキャパではCO2と比べても遜色無いリコイルというのは、単に気圧の問題だけなんでしょうか?
スコーピオンでは「後退したボルトが最後端部までしっかり押し切られているような」感覚でした。
思い返してみれば、ハイキャパとデトニクスもこれだったんじゃないかな・・・?
これは私の仮説ですが「リキッドチャージより空気の方がブローバックに使われる気体量が多いのかな?」と想像しました。
フロンガスでガスブロを撃っていて、ガスが少なくなってきた時に「弾は出るけどブローバックが弱い」という事がよくあります。
リキッドチャージの場合は、マガジン内にあるガスタンクに液化ガスを入れる訳ですが、液化ガスを入れた後に余った僅かなスペースを気化室として気化ガスを作ります。
気化ガスは弾を発射した後、スライドやボルトをブローバックさせる事に使われます。
「弾は出るけど、ブローバックが弱い」状態とは、気化ガスの量(圧力)が足らなくて、弾を射出した後、気化ガスが少ししか残っていない状態です。
マガジン内のフロンガスが満タンの時より、少しだけ減らした後の方が、ブローバックの調子が良い事がありますが、これは液化ガスが減った分、気化室の容積が大きくなったからです。
ハイキャパは、他のガスブロに比べると寒さに強いです。マガジンのガスタンク容量が大きいので必然的に気化室も大きいからです。
となると、圧縮空気で撃つ場合、最初から全てが気化室みたいな物です。
と言うか、そもそも最初から気化しているので、フロンガスのようにフルオートで撃ちまくると圧力が下がる、なんて事もありません。
また、4mmから6mmのホースに交換した事により、瞬間的に供給可能な気体量も増えている筈です。
となると、尚更4ミリホースはスピードシューティングでのタイム最優先という気がします。
スピードシューティングでは
- フルオートはしない
- リコイルは弱い方が良い
- 銃本体を大きく振る動作で軽い事が重要
このような要素が重視されます。
ところが私の場合は
- リコイルは強い方が楽しい
- 自宅やサバゲーでフルオートをバリバリ撃ちたい
- スピードシューティングは好きだけど上位を狙えるようなウデではない
という私のような層にとっては6mmホースの方が楽しいのかな、という気がします。
まとめると、圧縮空気仕様では、弾を撃ち出した後でも充分な量の気化ガス(ガスじゃないけど)が残っているので、
ブローバックに使える気体の量(圧力)がフロンガス仕様より多く(高く)なるんじゃないかな?と、思いました。あくまで私見ですけどね^^;
まとめ
実はこの後に
「CO2(グリーンガス)と圧縮空気の長所・短所を比較」
というテーマでノリノリで下書きしていたんですが、調子に乗って長文になり過ぎたようで、ブログ編集アプリが固まってしまいました。
しょうがないので続きは次のvol.9に分ける事にします。宜しければ、次のvol.9も続けてご覧下さい。
vol.9「CO2(グリーンガス)と圧縮空気の長所・短所を比較」はこちらへどうぞ
では今回はこの辺で。
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ハイキャパの記事一覧はこちら
圧縮空気シリーズの第1回目はこちら
ガスブロを圧縮空気で撃ちたい!シリーズ一覧はこちら
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